成人における鋭的気道異物の2例

背景.近年成人の気道異物症例は増加傾向である.鋭的気道異物を安全に摘出するために適切なデバイスを選択することが重要である.症例.症例1は50代,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻造設目的で入院中であったが,咳嗽の精査目的に胸部CTを施行し歯科インプラントと思われる気道異物を指摘され当科紹介となった.右主気管支に歯科インプラントが嵌頓しており軟性気管支鏡下に把持鉗子を用いて異物を摘出した.症例2は70代,男性.胸部X線写真で画鋲と思われる気道異物を指摘され当科紹介となった.画鋲の針が肺動脈に近接しており,抗血小板薬内服中で出血リスクが高いため硬性気管支鏡下に把持鉗子を用いて異物を摘出した.結論.鋭利な...

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Published in気管支学 Vol. 47; no. 2; pp. 114 - 119
Main Authors 瀧川, 雄貴, 藤原, 慶一, 郷田, 真由, 井上, 智敬, 松岡, 涼果, 渡邉, 洋美, 工藤, 健一郎, 柴山, 卓夫, 藤原, 美穂, 佐藤, 賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.03.2025
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.47.2_114

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Summary:背景.近年成人の気道異物症例は増加傾向である.鋭的気道異物を安全に摘出するために適切なデバイスを選択することが重要である.症例.症例1は50代,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻造設目的で入院中であったが,咳嗽の精査目的に胸部CTを施行し歯科インプラントと思われる気道異物を指摘され当科紹介となった.右主気管支に歯科インプラントが嵌頓しており軟性気管支鏡下に把持鉗子を用いて異物を摘出した.症例2は70代,男性.胸部X線写真で画鋲と思われる気道異物を指摘され当科紹介となった.画鋲の針が肺動脈に近接しており,抗血小板薬内服中で出血リスクが高いため硬性気管支鏡下に把持鉗子を用いて異物を摘出した.結論.鋭利な気道異物では存在部位,形状に応じて適切なデバイスを選択する必要がある.出血リスクが高い症例や安定した気道確保が必要な症例では硬性気管支鏡下での摘出を考慮する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.47.2_114