腹腔鏡補助下に切除した狭窄型虚血性小腸炎の1 例

症例は86 歳,男性.間欠的な下腹部痛と便秘が持続するため紹介受診した.症状は一旦改善したが,腸閉塞の診断で入院となった.腹部造影CT 検査と小腸造影検査で空腸に狭窄性病変を認め,イレウス管による保存的治療を行ったが,改善しないため腹腔鏡補助下に小腸部分切除術を行い狭窄型虚血性小腸炎の診断となった.虚血性腸炎は結腸病変が一般的であり側副血行路が発達する小腸では稀とされる.本疾患に対する腹腔鏡下手術は良好な視野で腹腔内を広く観察することができた.また,イレウス管による十分な腸管の減圧により小腸病変の創外への脱転と切除が容易であり有効な術式と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日大医学雑誌 Vol. 74; no. 5; pp. 267 - 271
Main Authors 神定, のぞみ, 佐藤, 博信, 君塚, 圭, 滝本, 壽郎, 三宅, 洋, 菊池, 剛史, 小野, 賀功, 大原, 守貴, 小倉, 道一, 天野, 定雄, 康, 康祐大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.10.2015
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.74.5_267

Cover

More Information
Summary:症例は86 歳,男性.間欠的な下腹部痛と便秘が持続するため紹介受診した.症状は一旦改善したが,腸閉塞の診断で入院となった.腹部造影CT 検査と小腸造影検査で空腸に狭窄性病変を認め,イレウス管による保存的治療を行ったが,改善しないため腹腔鏡補助下に小腸部分切除術を行い狭窄型虚血性小腸炎の診断となった.虚血性腸炎は結腸病変が一般的であり側副血行路が発達する小腸では稀とされる.本疾患に対する腹腔鏡下手術は良好な視野で腹腔内を広く観察することができた.また,イレウス管による十分な腸管の減圧により小腸病変の創外への脱転と切除が容易であり有効な術式と考えられた.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.74.5_267