頭蓋頚椎移行部病変に対する内視鏡下経鼻的アプローチに必要な神経解剖

近年, 頭蓋底病変に対する手術法として, 内視鏡下での経鼻アプローチが導入され, 傍鞍部や斜台部病変に対して良好な治療成績が報告されている. ここでは, われわれの経験をもとに, 頭蓋頚椎移行部 (CVJ) 病変に対するアプローチに必要な神経解剖について解説する. 経鼻的にCJVに至るためには, 下鼻甲介に沿って上咽頭に到達し, 左右耳管隆起間の粘膜を剥離, その奥の椎前筋群を切除して進入する. 上咽頭後方では, 下位脳神経や内頚動静脈は, アプローチ経路より外側に存在しており, 正中線上を進入することで, 斜台下部から延髄前方までを安全に術野に収めることができる. 周辺解剖を十分理解すること...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 3; pp. 227 - 231
Main Authors 辛, 正廣, 斉藤, 延人, 近藤, 健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.227

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Summary:近年, 頭蓋底病変に対する手術法として, 内視鏡下での経鼻アプローチが導入され, 傍鞍部や斜台部病変に対して良好な治療成績が報告されている. ここでは, われわれの経験をもとに, 頭蓋頚椎移行部 (CVJ) 病変に対するアプローチに必要な神経解剖について解説する. 経鼻的にCJVに至るためには, 下鼻甲介に沿って上咽頭に到達し, 左右耳管隆起間の粘膜を剥離, その奥の椎前筋群を切除して進入する. 上咽頭後方では, 下位脳神経や内頚動静脈は, アプローチ経路より外側に存在しており, 正中線上を進入することで, 斜台下部から延髄前方までを安全に術野に収めることができる. 周辺解剖を十分理解することが安全に到達するためのキーポイントとなり得る.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.227