訪問看護師が認識する認知症患者遺族へのグリーフケア

本研究の目的は,訪問看護師の認知症患者遺族に対する支援の実態を踏まえ,訪問看護師がグリーフケアをどのように認識しているかを,明らかにすることである。 訪問看護師57名を対象に質問紙調査を実施した。質問紙はグリーフケアの実態とグリーフケアに関する認識を問うた。その結果,訪問看護師は認知症患者遺族に対し,死後四十九日までに,自宅訪問や電話相談などの支援を実施していた。認知症遺族から受けた相談内容は,生活に関わる相談15件,これまで行なってきた介護や代理意思決定に関わる相談14件,認知症の症状に関わる相談8件,喪失に関わる相談7件,身体に関わる相談7件の合計51件であった。 訪問看護師が認識するグリ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本地域共生ヘルスケア学会誌 Vol. 1; no. 2; pp. 41 - 49
Main Author 河合, まゆみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本地域共生ヘルスケア学会 2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2759-4084
DOI10.60433/healthc.1.2_41

Cover

More Information
Summary:本研究の目的は,訪問看護師の認知症患者遺族に対する支援の実態を踏まえ,訪問看護師がグリーフケアをどのように認識しているかを,明らかにすることである。 訪問看護師57名を対象に質問紙調査を実施した。質問紙はグリーフケアの実態とグリーフケアに関する認識を問うた。その結果,訪問看護師は認知症患者遺族に対し,死後四十九日までに,自宅訪問や電話相談などの支援を実施していた。認知症遺族から受けた相談内容は,生活に関わる相談15件,これまで行なってきた介護や代理意思決定に関わる相談14件,認知症の症状に関わる相談8件,喪失に関わる相談7件,身体に関わる相談7件の合計51件であった。 訪問看護師が認識するグリーフケアに関する記述内容を,コード化し,カテゴリ化した結果,23サブカテゴリから7カテゴリが抽出された。それらは,【否定的・肯定的な感情や思いの表出支援】【思いや悲しみへの共感と寄添い】【認知症患者の人格を尊重した代理意思決定の肯定】【認知症の進行に伴う介護疲労への労い】【遺族間で思いを共有する機会の提供】【今後の生活に向けた社会的資源の活用】【認知症の特徴と悲嘆プロセスに関する教育的支援】と命名された。キーワード:グリーフケア,訪問看護師,認知症,遺族,内容分析
ISSN:2759-4084
DOI:10.60433/healthc.1.2_41