副耳下腺に生じた多形腺腫由来癌の 1 例

副耳下腺に生じた多形腺腫由来癌の 1 例を経験したので報告する。症例は 48 歳、男性で、受診 1 年 2 カ月前より自覚した左頬部腫瘤を主訴に受診した。画像検査で副耳下腺腫瘍を疑ったが、穿刺吸引細胞診では class Ⅱ、多形腺腫疑いであった。診断確定目的に、腫瘍直上切開による腫瘍切除術を施行し、術後の永久標本で多形腺腫由来癌の診断に至った。術後、頭頸部扁平上皮癌に準じたシスプラチン併用の化学放射線療法を施行し、術後 2 年 3 カ月時点で再発なく経過している。今回は腫瘍直上切開を選択したが、術後に改めて検討した結果、同一の切開線で頸部郭清や耳下腺切除にもつなげることが可能な切開線の選択も検...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 69; no. 3; pp. 208 - 213
Main Authors 吉田, 晴郎, 大野, 純希, 伊東, 正博, 田中, 藤信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.2023
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.69.3_208

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Summary:副耳下腺に生じた多形腺腫由来癌の 1 例を経験したので報告する。症例は 48 歳、男性で、受診 1 年 2 カ月前より自覚した左頬部腫瘤を主訴に受診した。画像検査で副耳下腺腫瘍を疑ったが、穿刺吸引細胞診では class Ⅱ、多形腺腫疑いであった。診断確定目的に、腫瘍直上切開による腫瘍切除術を施行し、術後の永久標本で多形腺腫由来癌の診断に至った。術後、頭頸部扁平上皮癌に準じたシスプラチン併用の化学放射線療法を施行し、術後 2 年 3 カ月時点で再発なく経過している。今回は腫瘍直上切開を選択したが、術後に改めて検討した結果、同一の切開線で頸部郭清や耳下腺切除にもつなげることが可能な切開線の選択も検討すべき症例であった。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.69.3_208