首下がりを呈した頚椎症性脊髄症に対して前後方固定術を行った2例

首下がりは, 座位や立位時に首が垂れ下がり前方注視困難を呈する症候であり, さまざまな基礎疾患で生じ得る. 一期的な前後方よりの固定術で改善した首下がりの2例を報告する. 症例1は70歳女性, 数年前より立位時の頚部前屈が出現, 四肢のしびれも合併し当科入院となった. 症例2は83歳女性, 9カ月前より歩行障害, 4カ月前より歩行時頚部前屈を生じ, 巧緻運動障害も呈し当科入院となった. 2例ともC4, 5の動的不安定性を認め, 前後方の固定術を一期的に行い, 首下がりは消失した. 首下がりに対し外科治療が実施された報告例をもとに, この病態に対する外科治療法を中心に検討を加えた. 症例ごとの治...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 24; no. 8; pp. 552 - 559
Main Authors 北原, 孝宏, 服部, 悦子, 高橋, 敏行, 河岡, 大悟, 渡邊, 水樹, 花北, 順哉, 宮田, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2015
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.24.552

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Summary:首下がりは, 座位や立位時に首が垂れ下がり前方注視困難を呈する症候であり, さまざまな基礎疾患で生じ得る. 一期的な前後方よりの固定術で改善した首下がりの2例を報告する. 症例1は70歳女性, 数年前より立位時の頚部前屈が出現, 四肢のしびれも合併し当科入院となった. 症例2は83歳女性, 9カ月前より歩行障害, 4カ月前より歩行時頚部前屈を生じ, 巧緻運動障害も呈し当科入院となった. 2例ともC4, 5の動的不安定性を認め, 前後方の固定術を一期的に行い, 首下がりは消失した. 首下がりに対し外科治療が実施された報告例をもとに, この病態に対する外科治療法を中心に検討を加えた. 症例ごとの治療方針の熟慮と, 経時的なフォローが肝要な病態と考えられた.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.24.552