救急医療と地域連携パス 救急外来における喘息発作マネジメント
気管支喘息は呼吸器疾患における代表的な慢性疾患の一つで、経過中に「喘息発作」と呼ばれる急性増悪を来す。本邦では年間約3000人が喘息発作にて死亡しており、「回避可能な死」とされる喘息死を減らすことを目指した総合対策「喘息死ゼロ作戦」が厚労省より示されている。 急性増悪患者の主たるアクセス先である救急外来では、限られた医療資源を有効に活用し、初期治療後の患者を適切にフォローアップできる体制作りが求められる。当院では2003年より気管支喘息の地域診療連携システムの構築を進めており、喘息発作患者への対策として「ぜんそくカード」による救急外来へのアクセス、「気管支喘息発作救急外来パス」の導入受診時の適...
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Published in | 日本クリニカルパス学会誌 Vol. 11; no. 1; pp. 77 - 79 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本クリニカルパス学会
20.02.2009
日本クリニカルパス学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2187-6592 2436-1046 |
DOI | 10.50842/jjscp.11.1_77 |
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Summary: | 気管支喘息は呼吸器疾患における代表的な慢性疾患の一つで、経過中に「喘息発作」と呼ばれる急性増悪を来す。本邦では年間約3000人が喘息発作にて死亡しており、「回避可能な死」とされる喘息死を減らすことを目指した総合対策「喘息死ゼロ作戦」が厚労省より示されている。 急性増悪患者の主たるアクセス先である救急外来では、限られた医療資源を有効に活用し、初期治療後の患者を適切にフォローアップできる体制作りが求められる。当院では2003年より気管支喘息の地域診療連携システムの構築を進めており、喘息発作患者への対策として「ぜんそくカード」による救急外来へのアクセス、「気管支喘息発作救急外来パス」の導入受診時の適切な治療と導入受診後のフォローアップ体制の確立、引き続く「気管支喘息地域連携パス」による地域医療機関との連携を行っている。 救急外来を中心とした喘息発作患者のアクセス確保、適切な介入とフォローアップを推進するシステム導入を行った。救急外来パスは慢性疾患における”acute on chronic”に有効であり、専門外来の地域連携パスとともに包括的地域連携体制の一翼を担う重要なツールである。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.11.1_77 |