頭頸部表在癌に対する経鼻内視鏡の有用性

咽頭の早期癌は消化器内科での上部消化管内視鏡検査で発見されることが多いが、上部消化管内視鏡の解像度に比較し、喉頭ファイバースコープは解像度が劣り病変の観察で苦労することも多い。少しでも消化器内科のレベルに達するような観察ができないかを経鼻内視鏡を用いて検討し、喉頭ファイバースコープでは診断が困難であった病変を経鼻内視鏡を用いることでより分かりやすく診断することができた。早期癌の診断や病変の範囲の決定には内視鏡、特に NBI での観察が重要であり、経鼻内視鏡は喉頭ファイバースコープより解像度が高く、経鼻のため耳鼻咽喉科医でも扱いやすいという利点や、麻酔や合併症に対する対応にも慣れており、早期癌の...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 69; no. 1; pp. 42 - 47
Main Authors 荒井, 康裕, 谷垣, 裕二, 折舘, 伸彦, 北川, 有希子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.01.2023
Subjects
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.69.1_42

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Summary:咽頭の早期癌は消化器内科での上部消化管内視鏡検査で発見されることが多いが、上部消化管内視鏡の解像度に比較し、喉頭ファイバースコープは解像度が劣り病変の観察で苦労することも多い。少しでも消化器内科のレベルに達するような観察ができないかを経鼻内視鏡を用いて検討し、喉頭ファイバースコープでは診断が困難であった病変を経鼻内視鏡を用いることでより分かりやすく診断することができた。早期癌の診断や病変の範囲の決定には内視鏡、特に NBI での観察が重要であり、経鼻内視鏡は喉頭ファイバースコープより解像度が高く、経鼻のため耳鼻咽喉科医でも扱いやすいという利点や、麻酔や合併症に対する対応にも慣れており、早期癌の診断や病変の観察に有用であることが確認でき、早期癌の診断および観察に必要不可欠となる可能性があることが示唆された。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.69.1_42