3T MRI による頭蓋内主幹動脈狭窄症の血管壁描出能に関する検討

3T MRI を用いて,中大脳動脈(MCA)狭窄症例の血管壁描出の可否を検討した.片側MCA 狭窄12 例および非狭窄例10 例を対象とし,両側MCA 水平部を,3T MRI のT1-CUBE 法で撮像した.狭窄側の最狭窄部と健常側,および非狭窄例の血管壁描出能とその厚さ,狭窄率との関係を検討した.全症例で動脈壁は高信号として描出された.血管壁の厚さは,狭窄例の病変側1.57±0.27 mm に対し,健常側1.19±0.08 mm であり,2 群間に有意差を認めた(p<0.05).一方,非狭窄例は,0.85±0.23 mm であり,狭窄例の病変側,健常側双方と比較して,有意に低値であった...

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Published in脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) Vol. 25; no. 2; pp. 37 - 41
Main Authors 五石, 惇司, 伊賀瀬, 圭二, 貞本, 和彦, 荒井, 政森, 松原, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳循環代謝学会 2014
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ISSN0915-9401
2188-7519
DOI10.16977/cbfm.25.2_37

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Summary:3T MRI を用いて,中大脳動脈(MCA)狭窄症例の血管壁描出の可否を検討した.片側MCA 狭窄12 例および非狭窄例10 例を対象とし,両側MCA 水平部を,3T MRI のT1-CUBE 法で撮像した.狭窄側の最狭窄部と健常側,および非狭窄例の血管壁描出能とその厚さ,狭窄率との関係を検討した.全症例で動脈壁は高信号として描出された.血管壁の厚さは,狭窄例の病変側1.57±0.27 mm に対し,健常側1.19±0.08 mm であり,2 群間に有意差を認めた(p<0.05).一方,非狭窄例は,0.85±0.23 mm であり,狭窄例の病変側,健常側双方と比較して,有意に低値であった(各々p<0.001,p<0.05).また,狭窄率と血管壁厚の間には相関関係を認めた(R=0.69,p=0.019).3T MRI により,頭蓋内主幹動脈狭窄症例における血管壁の肥厚が観察され,内膜の動脈硬化性変化を反映していると考えられた.
ISSN:0915-9401
2188-7519
DOI:10.16977/cbfm.25.2_37