緊急入院患者の MEWS と基礎疾患の急変予測への活用

概  要:高度救命救急センターであるA病院B病棟では,時間外の緊急入院を受け入れているが,一般病棟へ転棟後に病状が悪化し,ICU・HCUへ計画外入室となる状況が発生している.それらの患者は,転棟前からすでにバイタルサインに異常を来していたのではないかと推測した.そこで,MEWSを活用することで急変予測ができるのではないかと考え,一般病棟転棟後に病状が悪化しICU・HCUへ計画外入室した患者(以下,病状悪化群)と,病状安定により一般病棟で入院継続した患者(以下,病状安定群)について,転棟前のMEWSと基礎疾患の調査を行った.その結果,B病棟から一般病棟へ転棟する直前のMEWSの合計点に有意差は認...

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Published in島根県立中央病院医学雑誌 Vol. 46; pp. 15 - 18
Main Authors 梅木, 夏帆, 高橋, 美沙子, 石橋, 恵美, 神谷, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 島根県立中央病院 2022
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ISSN0289-5455
2435-0710
DOI10.34345/spch.46.0_15

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Summary:概  要:高度救命救急センターであるA病院B病棟では,時間外の緊急入院を受け入れているが,一般病棟へ転棟後に病状が悪化し,ICU・HCUへ計画外入室となる状況が発生している.それらの患者は,転棟前からすでにバイタルサインに異常を来していたのではないかと推測した.そこで,MEWSを活用することで急変予測ができるのではないかと考え,一般病棟転棟後に病状が悪化しICU・HCUへ計画外入室した患者(以下,病状悪化群)と,病状安定により一般病棟で入院継続した患者(以下,病状安定群)について,転棟前のMEWSと基礎疾患の調査を行った.その結果,B病棟から一般病棟へ転棟する直前のMEWSの合計点に有意差は認めなかったが,心拍数スコアは病状悪化群のほうが高く,有意差があった.また,病状悪化群は基礎疾患を有している割合が高く,疾患別では「心疾患」「脳血管疾患」「糖尿病」「高血圧」が病状悪化に関連していることが分かった.
ISSN:0289-5455
2435-0710
DOI:10.34345/spch.46.0_15