骨盤臓器脱に対するnative tissue repair (NTR) としての新たな工夫 －仙骨子宮靭帯と膀胱子宮靭帯との縫縮によるcervical triangle zone (CTZ) 修復とlaparoscopic round ligament colpopexy (LRLC) の併用

• Published in: 日本女性骨盤底医学会誌 Vol. 17; no. 1; pp. 1 - 5
• Main Authors: 伊熊, 健一郎, 丸尾, 伸之, 吉澤, ひかり, 三上, 千尋, 村上, 暢子, 柴田, 綾子, 石原, あゆみ, 西舘, 野阿, 前澤, 陽子, 陌間, 亮一, 田中, 達也
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本女性骨盤底医学会 16.01.2021
• Subjects: cervical triangle zone （CTZ）; laparoscopic roundligament colpopexy （LRLC）; native tissue repair （NTR）; pelvic organ prolapse （POP）; total laparoscopic hysterectomy （TLH）
• DOI: 10.32310/jfpfm.17.1_1
• ISSN: 2187-5669

近年の骨盤臓器脱（pelvic organ prolapse：POP）に対する手術では、メッシュを使用しない骨盤臓器脱修復手術（native tissue repair：NTR）が見直されている。筆者らは、腹腔鏡下子宮全摘術（total laparoscopichysterectomy：TLH）の際、Aldridge 法に準じた子宮頸管側方部の筋膜内切離の工程で、内子宮口部の動静脈束部を頂点とし、仙骨子宮靭帯から膀胱子宮靭帯を底辺として形成される三角形に着目し、この部をcervicaltriangle zone（CTZ）と命名した。このCTZ を修復する際に、仙骨子宮靭帯部と膀胱子宮靭帯部とを縫合・縫縮することが、TLH 後の腟脱予防と子宮脱に対する治療にも繋がる可能性がある。また、腹腔鏡下に行った腟壁断端部と円靭帯（子宮円索）断端部との縫合・縫縮固定（laparoscopic round ligament colpopexy：LRLC）が、腟壁挙上に有効であった症例を経験した。本稿ではCTZ の作成と修復、その後のLRLC 併用の手技と手順などについて報告する。