終末期の子どもの母に寄り添うこと 語りを聴くことの意義
我が子が病の終末期に至ることは, 親にとって想像を絶するような体験であろう。この状況において, 医療者が親の苦痛を軽くすることは容易ではない。終末期の子どもを持つ親を前にした時, 医療者にできることはあるのだろうか。本稿では, このような状況にあったある母へのかかわりを報告した。母Aの息子Bは, 胎児期に腹壁破裂と診断された。出生時は腹壁から脱出した腸管が壊死し, 超低出生体重に伴うさまざまな症状がみられた。治療を開始したが, 状態は悪化した。Bが生後7カ月時, Aは筆者のもとを訪れた。Aは看護師であり, 気丈にBの看病をしていたが, 語られる内容は苦悩に満ちていた。筆者は圧倒され言葉を失いな...
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Published in | 児童青年精神医学とその近接領域 Vol. 57; no. 5; pp. 783 - 807 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
01.11.2016
日本児童青年精神医学会 |
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