スクエアステップを取り入れた運動教室に参加した高齢者がその後も自主的に運動を継続している理由

目的 スクエアステップは25 cm 四方の正方形を横 4 個,縦10個並べた薄いマットの上を,さまざまな方向に歩いていく運動である。筆者らは,高齢者を対象にスクエアステップを取り入れた運動教室を開催した。運動教室が終了してから 4 年間,参加者の多くが自主活動グループを立ち上げてスクエアステップを継続している。本研究ではそのように運動を継続している理由を質的研究手法を用いて聞き取ることで,運動継続に必要な要因を検討することとした。 方法 スクエアステップを取り入れた運動教室を終了した52人のうち,40人が自主活動グループに参加し,12人が参加しなかった。自主活動グループ参加群のうち,出席率の低...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 58; no. 1; pp. 22 - 29
Main Authors 中村, 容一, 大藏, 倫博, 中垣内, 真樹, 栗本, 真弓, 中田, 由夫, 重松, 良祐, 田中, 喜代次, 中西, 礼, 齋藤, 真紀, 坂井, 智明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2011
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.58.1_22

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Summary:目的 スクエアステップは25 cm 四方の正方形を横 4 個,縦10個並べた薄いマットの上を,さまざまな方向に歩いていく運動である。筆者らは,高齢者を対象にスクエアステップを取り入れた運動教室を開催した。運動教室が終了してから 4 年間,参加者の多くが自主活動グループを立ち上げてスクエアステップを継続している。本研究ではそのように運動を継続している理由を質的研究手法を用いて聞き取ることで,運動継続に必要な要因を検討することとした。 方法 スクエアステップを取り入れた運動教室を終了した52人のうち,40人が自主活動グループに参加し,12人が参加しなかった。自主活動グループ参加群のうち,出席率の低い 7 人を除外し,スクエアステップを 4 年間継続している高齢者33人に対し,個別インタビューによって運動継続理由を聞き取った。個別インタビューに要した時間は平均で12分であった。自主活動グループ不参加群12人には,郵送による質問紙法で運動習慣を調査した。 結果 自主活動グループ参加群からは 1 人あたり 2~6 個の継続理由が挙げられた。それらを帰納的に解析したところ,①仲間の存在や仲間との関わり,②自主活動の公平な運営,③運動による健康効果への期待,④簡単•気楽にできる運動,⑤運動参加に対する家族のサポートにまとめられた。自主活動グループ不参加群に対する質問紙調査では,12人のうち11人から回答を得た。死亡あるいは疾病のために運動を継続していない 2 人を除き,9 人中 8 人がウォーキングやレジスタンス運動,徒手体操を継続して実践していた。 結論 スクエアステップを取り入れた運動教室の参加者において,教室終了後も運動を継続する理由が明らかとなった。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.58.1_22