管理栄養士の専門性に必要な調理理論と技術に関する検討 病院に勤務する管理栄養士を対象として
【目的】病院という職域にある管理栄養士が必要であると感じている調理理論と技術を明らかにする。 【方法】総合病院22施設の栄養課に勤務する管理栄養士58人を解析対象とした。質問は，管理栄養士国家試験出題基準に準じた30調査項目で構成した。 【結果】28調査項目で「必要である」「どちらかといえば必要である」と回答した者が9割を超えた。勤務年数が対象者の必要とする調理理論と技術に影響を与える可能性を検討した。勤務年数10年ごとに4区分した勤務年数1～9年，10～19年，20年～29年，30年以上による比較では，回答選択肢間で有意差を認めた項目はなかった。管理栄養士養成施設カリキュラム改正前後の勤務年...
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| Published in | 栄養学雑誌 Vol. 70; no. 1; pp. 71 - 81 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
2012
日本栄養改善学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
| DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.70.71 |
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| Abstract | 【目的】病院という職域にある管理栄養士が必要であると感じている調理理論と技術を明らかにする。 【方法】総合病院22施設の栄養課に勤務する管理栄養士58人を解析対象とした。質問は，管理栄養士国家試験出題基準に準じた30調査項目で構成した。 【結果】28調査項目で「必要である」「どちらかといえば必要である」と回答した者が9割を超えた。勤務年数が対象者の必要とする調理理論と技術に影響を与える可能性を検討した。勤務年数10年ごとに4区分した勤務年数1～9年，10～19年，20年～29年，30年以上による比較では，回答選択肢間で有意差を認めた項目はなかった。管理栄養士養成施設カリキュラム改正前後の勤務年数により区分した勤務年数1～4年，5～19年，20年以上の3区分による比較では，「調理操作と栄養成分の変化の体験的理解（調理科学実験）」において，勤務年数5～19年の者は，20年以上の者と比較して必要性を感じている者の割合が高かった（p＜0.05）。「食品構成」において，勤務年数5～19年（p＜0.05）と20年以上（p＜0.05）の者は1～4年の者と比較して，必要性を感じている者の割合が高かった。 【結論】管理栄養士国家試験出題基準に準ずる基礎的な調理理論と技術の習得は，病院に勤務する管理栄養士の専門性にとって必要であった。就労後必要とされる調理理論と技術は，勤務年数に影響される可能性がある。 |
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| AbstractList | 【目的】病院という職域にある管理栄養士が必要であると感じている調理理論と技術を明らかにする。 【方法】総合病院22施設の栄養課に勤務する管理栄養士58人を解析対象とした。質問は，管理栄養士国家試験出題基準に準じた30調査項目で構成した。 【結果】28調査項目で「必要である」「どちらかといえば必要である」と回答した者が9割を超えた。勤務年数が対象者の必要とする調理理論と技術に影響を与える可能性を検討した。勤務年数10年ごとに4区分した勤務年数1～9年，10～19年，20年～29年，30年以上による比較では，回答選択肢間で有意差を認めた項目はなかった。管理栄養士養成施設カリキュラム改正前後の勤務年数により区分した勤務年数1～4年，5～19年，20年以上の3区分による比較では，「調理操作と栄養成分の変化の体験的理解（調理科学実験）」において，勤務年数5～19年の者は，20年以上の者と比較して必要性を感じている者の割合が高かった（p＜0.05）。「食品構成」において，勤務年数5～19年（p＜0.05）と20年以上（p＜0.05）の者は1～4年の者と比較して，必要性を感じている者の割合が高かった。 【結論】管理栄養士国家試験出題基準に準ずる基礎的な調理理論と技術の習得は，病院に勤務する管理栄養士の専門性にとって必要であった。就労後必要とされる調理理論と技術は，勤務年数に影響される可能性がある。 「目的」病院という職域にある管理栄養士が必要であると感じている調理理論と技術を明らかにする. 「方法」総合病院22施設の栄養課に勤務する管理栄養士58人を解析対象とした. 質問は, 管理栄養士国家試験出題基準に準じた30調査項目で構成した. 「結果」28調査項目で「必要である」「どちらかといえば必要である」と回答した者が9割を超えた. 勤務年数が対象者の必要とする調理理論と技術に影響を与える可能性を検討した. 勤務年数10年ごとに4区分した勤務年数1～9年, 10～19年, 20年～29年, 30年以上による比較では, 回答選択肢間で有意差を認めた項目はなかった. 管理栄養士養成施設カリキュラム改正前後の勤務年数により区分した勤務年数1～4年, 5～19年, 20年以上の3区分による比較では. 「調理操作と栄養成分の変化の体験的理解（調理科学実験）」において, 勤務年数5～19年の者は, 20年以上の者と比較して必要性を感じている者の割合が高かった（ρ＜0.05）. 「食品構成」において, 勤務年数5～19年（ρ＜0.05）と20年以上（ρ＜0.05）の者は1～4年の者と比較して, 必要性を感じている者の割合が高かった. 「結論」管理栄養士国家試験出題基準に準ずる基礎的な調理理論と技術の習得は, 病院に勤務する管理栄養士の専門性にとって必要であった. 就労後必要とされる調理理論と技術は, 勤務年数に影響される可能性がある. |
| Author | 神田, 知子 川田, 由香 久保, 泉 石田, 裕美 丸山, 智美 |
| Author_xml | – sequence: 1 fullname: 川田, 由香 organization: 淑徳大学看護学部看護学科 – sequence: 1 fullname: 久保, 泉 organization: 池永腎内科クリニック – sequence: 1 fullname: 丸山, 智美 organization: 金城学院大学生活環境学部食環境栄養学科 – sequence: 1 fullname: 神田, 知子 organization: 同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科 – sequence: 1 fullname: 石田, 裕美 organization: 女子栄養大学給食・栄養管理研究室 |
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| Copyright | 2012 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 |
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| CorporateAuthor | 池永腎内科クリニック 同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科 金城学院大学生活環境学部食環境栄養学科 淑徳大学看護学部看護学科 女子栄養大学給食・栄養管理研究室 |
| CorporateAuthor_xml | – name: 池永腎内科クリニック – name: 淑徳大学看護学部看護学科 – name: 同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科 – name: 金城学院大学生活環境学部食環境栄養学科 – name: 女子栄養大学給食・栄養管理研究室 |
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| Publisher | 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 日本栄養改善学会 |
| Publisher_xml | – name: 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 – name: 日本栄養改善学会 |
| References | 16) 財団法人食の安全・安心財団 附属機関 外食産業総合調査研究センター：外食産業市場規模推移，http://anan-zaidan.or.jp/data/c2011-1-2.xls, (2011年5月15日 13) 鈴木久乃：管理栄養士養成施設新カリキュラム―私はこう評価する，臨床栄養，98, 661-664 (2001 22) 中村丁次：管理栄養士養成施設の新カリキュラムに期待すること，臨床栄養，98, 657-660 (2001 3) 梅澤眞由美：全国病院栄養士協議会「栄養部門実態調査」結果，臨床栄養，106, 401 (2005 1) 社団法人日本栄養士会：職域協議会のページ，日本栄養士会雑誌，53, 41-47 (2010 9) 杉山みち子：新カリキュラムによる管理栄養士の教育，医学のあゆみ，218, 365-370 (2006 7) 厚生労働省：平成21年賃金構造基本統計調査，http://www.estat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001025022&cycode=0, (2010年11月16日 15) 笠原賀子：栄養士法の一部改正と管理栄養士養成の今後の展望，家庭科教育，76, 60-65 (2002 19) 堀 光代，平島 円，磯部由香，他：大学生の調理に対する意識調査，岐阜市立女子短期大学研究紀要，57，61-65 (2008 4) 財団法人医療関連サービス振興会：医療関連サービス委託率の推移，http://www.ikss.net/news/images/shiryo1.pdf, (2011年5月14日 5) 厚生労働省：「管理栄養士・栄養士養成施設カリキュラム等に関する検討会」報告書について，http://www.jil.go.jp/kisya/kenkou/20010205_02_ke/20010205_02_ke_kentoukai.html, (2011年5月15日 21) 文部科学省：新しい学習指導要領の主なポイント (平成14年度から実施)，http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/990301i.htm, (2011年5月15日 11) 藤本さつき，池内ますみ，上地加容子，他：食物栄養専攻卒業生の実態調査から栄養士教育を考える，奈良佐保短期大学紀要，14, 55-61 (2006 20) 川田由香，丸山智美，神田知子，他：管理栄養士養成における専門性と調理学教育に関する基礎研究―管理栄養士養成課程に在籍する女子大学生の調理環境と切り方の習得度の実態調査―，金城学院大学論集 自然科学編，7, 33-40 (2010 12) 鈴木久乃，太田和枝，原 正俊，他 編集：給食用語辞典 第2版，pp. 101-102 (2003) 第一出版，東京 14) 小越章平：臨床栄養士の将来に期待する，臨床栄養学会雑誌，23, 1-2 (2001 8) Siegel, S., Castellan, N.J.Jr.: the Kruskal-Wallis one-way analysis of variance by rank., Nonparametric statistics for the behavioral science, 2nd ed., pp. 206-216 (1988) McGraw-hill, New York 2) 医療法制研究会編集：医療六法 平成21年版，p. 5 (2009) 中央法規出版，東京 10) 小城明子，戸原 玄：歯科病院における栄養・食事指導のニーズ調査と指導効果の検証，日本栄養士会雑誌，51, 36-45 (2008 17) 田部井恵美子，大坊順子，堀内かおる：生徒の献立作成と調理経験との関連，東京学芸大学紀要 第6部門 産業技術・家庭，41, 105-114 (1989 6) 健康・栄養情報研究会編：管理栄養士国家試験出題基準 (ガイドライン)，p. 69 (2002) 第一出版，東京 18) 堀 光代，平島 円，磯部由香，他：食物栄養および家政教育専攻学生の調理意識と技術の現状，岐阜市立女子短期大学研究紀要，58, 87-91 (2009 |
| References_xml | – reference: 6) 健康・栄養情報研究会編：管理栄養士国家試験出題基準 (ガイドライン)，p. 69 (2002) 第一出版，東京 – reference: 17) 田部井恵美子，大坊順子，堀内かおる：生徒の献立作成と調理経験との関連，東京学芸大学紀要 第6部門 産業技術・家庭，41, 105-114 (1989) – reference: 2) 医療法制研究会編集：医療六法 平成21年版，p. 5 (2009) 中央法規出版，東京 – reference: 13) 鈴木久乃：管理栄養士養成施設新カリキュラム―私はこう評価する，臨床栄養，98, 661-664 (2001) – reference: 19) 堀 光代，平島 円，磯部由香，他：大学生の調理に対する意識調査，岐阜市立女子短期大学研究紀要，57，61-65 (2008) – reference: 9) 杉山みち子：新カリキュラムによる管理栄養士の教育，医学のあゆみ，218, 365-370 (2006) – reference: 11) 藤本さつき，池内ますみ，上地加容子，他：食物栄養専攻卒業生の実態調査から栄養士教育を考える，奈良佐保短期大学紀要，14, 55-61 (2006) – reference: 21) 文部科学省：新しい学習指導要領の主なポイント (平成14年度から実施)，http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/990301i.htm, (2011年5月15日) – reference: 4) 財団法人医療関連サービス振興会：医療関連サービス委託率の推移，http://www.ikss.net/news/images/shiryo1.pdf, (2011年5月14日) – reference: 12) 鈴木久乃，太田和枝，原 正俊，他 編集：給食用語辞典 第2版，pp. 101-102 (2003) 第一出版，東京 – reference: 8) Siegel, S., Castellan, N.J.Jr.: the Kruskal-Wallis one-way analysis of variance by rank., Nonparametric statistics for the behavioral science, 2nd ed., pp. 206-216 (1988) McGraw-hill, New York – reference: 5) 厚生労働省：「管理栄養士・栄養士養成施設カリキュラム等に関する検討会」報告書について，http://www.jil.go.jp/kisya/kenkou/20010205_02_ke/20010205_02_ke_kentoukai.html, (2011年5月15日) – reference: 7) 厚生労働省：平成21年賃金構造基本統計調査，http://www.estat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001025022&cycode=0, (2010年11月16日) – reference: 1) 社団法人日本栄養士会：職域協議会のページ，日本栄養士会雑誌，53, 41-47 (2010) – reference: 10) 小城明子，戸原 玄：歯科病院における栄養・食事指導のニーズ調査と指導効果の検証，日本栄養士会雑誌，51, 36-45 (2008) – reference: 18) 堀 光代，平島 円，磯部由香，他：食物栄養および家政教育専攻学生の調理意識と技術の現状，岐阜市立女子短期大学研究紀要，58, 87-91 (2009) – reference: 3) 梅澤眞由美：全国病院栄養士協議会「栄養部門実態調査」結果，臨床栄養，106, 401 (2005) – reference: 15) 笠原賀子：栄養士法の一部改正と管理栄養士養成の今後の展望，家庭科教育，76, 60-65 (2002) – reference: 20) 川田由香，丸山智美，神田知子，他：管理栄養士養成における専門性と調理学教育に関する基礎研究―管理栄養士養成課程に在籍する女子大学生の調理環境と切り方の習得度の実態調査―，金城学院大学論集 自然科学編，7, 33-40 (2010) – reference: 16) 財団法人食の安全・安心財団 附属機関 外食産業総合調査研究センター：外食産業市場規模推移，http://anan-zaidan.or.jp/data/c2011-1-2.xls, (2011年5月15日) – reference: 14) 小越章平：臨床栄養士の将来に期待する，臨床栄養学会雑誌，23, 1-2 (2001) – reference: 22) 中村丁次：管理栄養士養成施設の新カリキュラムに期待すること，臨床栄養，98, 657-660 (2001) |
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| SourceID | medicalonline jstage |
| SourceType | Publisher |
| StartPage | 71 |
| SubjectTerms | 専門性 病院 管理栄養士 調理理論と技術 |
| Subtitle | 病院に勤務する管理栄養士を対象として |
| Title | 管理栄養士の専門性に必要な調理理論と技術に関する検討 |
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| ispartofPNX | 栄養学雑誌, 2012, Vol.70(1), pp.71-81 |
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