Micro-Suspension-Test; ヒト免疫不全ウイルスに対する消毒薬の効果判定方法

我々は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV-1) に対する消毒薬の効果判定方法であるmicrosuspension-testを開発し, その信頼性を検討した. 浮遊状態のHIV-1持続感染細胞を消毒薬と作用させ, 非感染細胞と混合培養し, 巨細胞形成 (GCF) と上清中の逆転写酵素活性 (RTA) によって, 残存する感染性を調べた. 培養2日目にGCFとRTAを検討するshort。term assayと, 培養28日目までRTAを検討する10ng-term assayとで構成されており, 感度はそれぞれ1×103, 1×101感染細胞であった. エタノール, グルタールアルデヒド, ホルマリ...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 69; no. 5; pp. 532 - 538
Main Authors 島越, 由紀子, 佐野, 浩一, 中野, 隆史, 中村, 積方, 大柴, 三郎, 勝, 健一, 中井, 益代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 1995
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Summary:我々は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV-1) に対する消毒薬の効果判定方法であるmicrosuspension-testを開発し, その信頼性を検討した. 浮遊状態のHIV-1持続感染細胞を消毒薬と作用させ, 非感染細胞と混合培養し, 巨細胞形成 (GCF) と上清中の逆転写酵素活性 (RTA) によって, 残存する感染性を調べた. 培養2日目にGCFとRTAを検討するshort。term assayと, 培養28日目までRTAを検討する10ng-term assayとで構成されており, 感度はそれぞれ1×103, 1×101感染細胞であった. エタノール, グルタールアルデヒド, ホルマリン, 次亜塩素酸ナトリウム, ポビドンヨードの5分間処理での最低有効濃度は, それぞれ20v/v%, 0.01v/v%, 5v/v%, 0.05v/v, 0.1v/v%であり, 濃度依存性, 時間依存性の消毒効果をみることができた. micro-suspension-testは, 簡便で, 感度もよいため, HIV-1に対する消毒薬の効果判定として有効であると考えた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.69.532