乳房内に転移を認めた乳腺血管肉腫の1例
症例は79歳女性.左乳房腫瘤を主訴に当院外科受診. AC領域に2.0×1.5cm大, AB領域に1.0cm大の有痛性の弾性軟の腫瘤を触知した.超音波検査ではAC領域に1.7×1.6×0.8cm大の比較的境界明瞭で内部不均-なエコーを示し,マンモグラフィーでは1.7×1.2cm大, 1.0×0.7cm大, 1.0×0.9cm大の3個の腫瘤陰影を認めた. AC領域の腫瘤に対し生検術を施行し,乳腺血管肉腫の診断を得たため,左単純乳房切除術を施行した. AB領域に0.7×0.5cm大, B領域に0.9×0.7cm大の転移を認めた. A領域にもマンモグラフィーでは認められなかった0.3×0.2cmの転移...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 10; pp. 2609 - 2612 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.10.2000
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.61.2609 |
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Summary: | 症例は79歳女性.左乳房腫瘤を主訴に当院外科受診. AC領域に2.0×1.5cm大, AB領域に1.0cm大の有痛性の弾性軟の腫瘤を触知した.超音波検査ではAC領域に1.7×1.6×0.8cm大の比較的境界明瞭で内部不均-なエコーを示し,マンモグラフィーでは1.7×1.2cm大, 1.0×0.7cm大, 1.0×0.9cm大の3個の腫瘤陰影を認めた. AC領域の腫瘤に対し生検術を施行し,乳腺血管肉腫の診断を得たため,左単純乳房切除術を施行した. AB領域に0.7×0.5cm大, B領域に0.9×0.7cm大の転移を認めた. A領域にもマンモグラフィーでは認められなかった0.3×0.2cmの転移を認めた.術後6カ月の現在,局所再発,転移の徴候はない. 乳腺血管肉腫は非常に稀で予後が悪く,本邦報告35例中5年生存例は2例のみである.今回,同側乳房の皮下脂肪組織に転移の認められた乳腺血管肉腫を経験したので報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.61.2609 |