L-105の外科領域感染症における臨床的検討
新合成セフェム系抗生物質L-105の外科領域感染症40例に対し, 臨床効果, 副作用などについて検討を行った。 感染症の内訳は, 浅在性化膿性疾患19例 (術後創感染14例, 非術後感染5例), 胆道感染症5例, 腹腔内感染症14例 (術後腹腔内感染7例, 直腸切断術後会陰部死腔感染1例, 急性腹膜炎4例, 肝膿瘍1例, 急性膵炎1例), 尿路感染症2例), 本剤を原則として, 1回1g, 1日2回点滴静注した。 臨床的には, 著効16例, 有効16例, やや有効5例, 無効3例), 有効率80%を示した。 分離菌別の臨床効果は, グラム陽性菌に対しては有効率78.6%, グラム陰性菌には72...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 34; no. Supplement3; pp. 627 - 638 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1986
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement3_627 |
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Summary: | 新合成セフェム系抗生物質L-105の外科領域感染症40例に対し, 臨床効果, 副作用などについて検討を行った。 感染症の内訳は, 浅在性化膿性疾患19例 (術後創感染14例, 非術後感染5例), 胆道感染症5例, 腹腔内感染症14例 (術後腹腔内感染7例, 直腸切断術後会陰部死腔感染1例, 急性腹膜炎4例, 肝膿瘍1例, 急性膵炎1例), 尿路感染症2例), 本剤を原則として, 1回1g, 1日2回点滴静注した。 臨床的には, 著効16例, 有効16例, やや有効5例, 無効3例), 有効率80%を示した。 分離菌別の臨床効果は, グラム陽性菌に対しては有効率78.6%, グラム陰性菌には72.7%) あり, 分離菌を証明した全症例32例) は有効率75.0%) あった。 細菌学的には, S. aureus 6株中6株, S. epidermidis 6株中5株, E. coli 3株中3株, P. aeruginosa 4株中3株などの菌消失がみられた。 本剤投与中に副作用の発現した例は1例もなく, また本剤に関連性のあると思われる臨床検査値異常も認めなかった。 以上より本剤は外科領域感染症に対し, その有用性を十分期待しうるものと考えられる。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement3_627 |