Cefotetan (YM09330) の抗菌力および呼吸器感染症に対する臨床的検討

セファマイシン系抗生物質Cefotetan (CTT, YM09330) に関して臨床分離株に対する抗菌力をCefazolin, Cefotiam, Cefmetazoleを対照として比較検討するとともに呼吸器感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した 。MIC分布のピークは黄色ブドウ球菌6.25~12.5μg/ml, 大腸菌0.39μg/ml, 肺炎桿菌0-2μg/ml, セラチア1.56~6.25μg/mlにあり, 黄色ブドウ球菌ではCEZ, CTM, CMZより2~4段階劣るが大腸菌, 肺炎桿菌, セラチアでは1~6段階優れている。肺炎桿菌に対する本剤のMBCはMI...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 30; no. Supplement1; pp. 346 - 361
Main Authors 佐々木, 昌子, 青沼, 清一, 今野, 淳, 大泉, 耕太郎, 渡辺, 彰, 大沼, 菊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1982
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.30.Supplement1_346

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Summary:セファマイシン系抗生物質Cefotetan (CTT, YM09330) に関して臨床分離株に対する抗菌力をCefazolin, Cefotiam, Cefmetazoleを対照として比較検討するとともに呼吸器感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した 。MIC分布のピークは黄色ブドウ球菌6.25~12.5μg/ml, 大腸菌0.39μg/ml, 肺炎桿菌0-2μg/ml, セラチア1.56~6.25μg/mlにあり, 黄色ブドウ球菌ではCEZ, CTM, CMZより2~4段階劣るが大腸菌, 肺炎桿菌, セラチアでは1~6段階優れている。肺炎桿菌に対する本剤のMBCはMICとほぼ同等であった。エンテロバクター, シトロバクターに対する抗菌力はCTM, CMZより1~3段階優れており, パフニアに対する抗菌力はCTM, CMZとほぼ同等である. 呼吸器感染症12例 (急性気管支炎1例, 急性肺炎2例, 糖尿病を伴う肺化膿症1例, 気管支拡張症2次感染2例, 慢性気管支炎の急性増悪1例, 肺癌2次感染5例), に対する本剤の臨床効果は著効3例, 有効6例, やや有効2例, 無効1例であった。12例から8株 (黄色ブドウ球菌1, インフルエンザ菌3, 肺炎桿菌2, エンテロバクター2) を分離したが本剤の投与により全株の菌消失が得られた。好酸球数増多1例, トランスアミナーゼ値上昇2例を認めたがいずれも軽度であり, 本剤の投与終了後には正常化した。 感染症における本剤の意義として特にcompromisedhostにおけるグラム陰性桿菌感染症に対して有効性が期待できると考えられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.30.Supplement1_346