男性化を呈した成人副腎皮質癌の1例
症例は25歳女性.不随意運動と全身痛にて近医通院中,多毛,変声,ざ瘡,月経不順を来たし,当院内科に入院となる.腹部CT, USにて左副腎に径5cm大の腫瘍を認め,内分泌検査にてandrogen産生腫瘍を強く疑い,当科紹介となった.腫瘍は表面平滑で周囲への浸潤を認めなかったが,嚢胞を伴い,病理組織検査の結果,副腎皮質癌と診断した.思春期以降に生じる男性化を来たす副腎皮質癌は比較的稀であり,自験例は調べたかぎりでは本邦15例目であった.副腎皮質癌は予後不良のものが多く,外科的切除後も厳重な経過観察が必要と考えた....
Saved in:
Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 11; pp. 2909 - 2912 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.11.1998
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.59.2909 |
Cover
Summary: | 症例は25歳女性.不随意運動と全身痛にて近医通院中,多毛,変声,ざ瘡,月経不順を来たし,当院内科に入院となる.腹部CT, USにて左副腎に径5cm大の腫瘍を認め,内分泌検査にてandrogen産生腫瘍を強く疑い,当科紹介となった.腫瘍は表面平滑で周囲への浸潤を認めなかったが,嚢胞を伴い,病理組織検査の結果,副腎皮質癌と診断した.思春期以降に生じる男性化を来たす副腎皮質癌は比較的稀であり,自験例は調べたかぎりでは本邦15例目であった.副腎皮質癌は予後不良のものが多く,外科的切除後も厳重な経過観察が必要と考えた. |
---|---|
ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.59.2909 |