耳鼻咽喉科領域におけるS-1108の臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement1; pp. 944 - 947
• Main Authors: 原田, 康夫, 平川, 勝洋
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1993
• Subjects: S-1108; 耳鼻咽喉科領域感染症
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement1_944

新しいエステル型経口用セフェム系抗生物質S-1108を耳鼻咽喉科領域感染症患者に投与し, その有効性, 安全性について検討した。 対象は中耳炎4例, 扁桃炎2例, 副鼻腔炎3例の計9例で, 年齢は20～75歳 (平均41.9歳) であった。投与方法は1日300mgまたは450mg分3食後経口投与し, 投与期間は4～14日間 (平均8.4日間) であった。 臨床効果は9例中, 著効7例, 有効2例であった。細菌学的効果は, Staphylococcus aureus 4株, γ-haemolytic streptococcus, Corynebacterium sp., Streptococcus pneumoniae, Staphylococcus epidermidis 各1株が分離され, S. aureusの1株を除いてすべて除菌された。 副作用として1例に軽度の嘔気が出現したが, 投与翌日には消失した。臨床検査値の異常変動は認められなかった。