幽門側胃切除クリニカルパスの導入効果と問題点

[目的]2003年1月に導入された胃切除クリニカルパス(以下,パス)の導入効果と今後の改善点について検証する.[方法]パス導入後の2003年1~9月に行われた幽門側胃切除102例とパス導入前の2002年1~9月に行われた105例と術後のアウトカムについて比較を行った.[結果]パス導入に伴い在院日数は22日から20日へ,術後在院日数も14日から12日と有意に短縮された.パスが適応された98例のうち86例 (88%) がパスから逸脱することなく経過,平均術後在院10日であった.平均入院医療費用も123, 229点から115, 802点に有意に減少を認めた.[結論]パス導入に伴い在院日数,術後在院日...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 10; pp. 2355 - 2359
Main Authors 小西, 大, 中郡, 聡夫, 杉藤, 正典, 伊藤, 雅昭, 木下, 平, 後藤田, 直人, 高橋, 進一郎, 斉藤, 典男, 小林, 昭広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2005
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.2355

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Summary:[目的]2003年1月に導入された胃切除クリニカルパス(以下,パス)の導入効果と今後の改善点について検証する.[方法]パス導入後の2003年1~9月に行われた幽門側胃切除102例とパス導入前の2002年1~9月に行われた105例と術後のアウトカムについて比較を行った.[結果]パス導入に伴い在院日数は22日から20日へ,術後在院日数も14日から12日と有意に短縮された.パスが適応された98例のうち86例 (88%) がパスから逸脱することなく経過,平均術後在院10日であった.平均入院医療費用も123, 229点から115, 802点に有意に減少を認めた.[結論]パス導入に伴い在院日数,術後在院日数や入院医療費用において向上がみられた.しかし術前在院日数の短縮は認めず問題点も明らかとなった.今後も引き続きアウトカムの解析を行い,パスを改善していく必要性があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.2355