多発血管腫を伴った後腹膜血管腫の1例

症例は28歳の女性.主訴は右側胸部,右上腕,左大腿部,腹部腫瘤.既往歴は1980年に左下顎部血管腫切除術, 1995年に後頭部正中,右側頸部,頸部正中下部,左側頭部血管腫切除術を施行されている.現病歴は2000年6月,上記主訴にて当院形成外科受診しhemangiomaの診断のもと手術治療目的に当院入院となった.入院時現症としては右側胸部,右上腕,左大腿部に弾性軟な腫瘤を触知し,臍左側および左下腹部に可動性のない弾性軟な腫瘤を触知した.全身の表在リンパ節は触知しなかった.全身のCT, MRI検査の結果,上記以外にも左大・中臂筋間,両側脊柱起立筋内にも血管腫を認めた. 2000年11月10日,腹腔...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 10; pp. 2530 - 2534
Main Authors 渡野辺, 郁雄, 中野, 一永, 太田, 秀二郎, 高森, 繁, 児島, 邦明, 深澤, 正樹, 別府, 倫兄, 二川, 俊二, 松本, 俊治, 須田, 耕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2001
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Summary:症例は28歳の女性.主訴は右側胸部,右上腕,左大腿部,腹部腫瘤.既往歴は1980年に左下顎部血管腫切除術, 1995年に後頭部正中,右側頸部,頸部正中下部,左側頭部血管腫切除術を施行されている.現病歴は2000年6月,上記主訴にて当院形成外科受診しhemangiomaの診断のもと手術治療目的に当院入院となった.入院時現症としては右側胸部,右上腕,左大腿部に弾性軟な腫瘤を触知し,臍左側および左下腹部に可動性のない弾性軟な腫瘤を触知した.全身の表在リンパ節は触知しなかった.全身のCT, MRI検査の結果,上記以外にも左大・中臂筋間,両側脊柱起立筋内にも血管腫を認めた. 2000年11月10日,腹腔内,右側胸部,右上腕,左大腿部の血管腫切除術を施行した.病理組織検査の結果は海綿状血管腫であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.62.2530