スクリーニングマンモグラフィーは異時性対側乳癌の早期発見に有用か

当科では2001年4月より原発性乳癌術後の経過観察に年1回2方向からのマンモグラフィー(MMG)撮影をルーチンとしており,それが異時性対側乳癌の早期発見につながっているかどうかを検討した. 1997年4月から2001年3月までの前半期をA期, MMGルーチン後の2001年4月から2004年1月までの後半期をB期とした.異時性対側乳癌はA期で21例, B期で23例あった.第1癌手術から異時性対側乳癌手術までの期間はA期が平均121カ月, B期が平均100カ月であり,有意差は認めなかったがB期で異時性対側乳癌が早期発見されていた(P=0.37). A期の腫瘍径の平均値は2.5cm, B期の腫瘍径の...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 11; pp. 2829 - 2832
Main Authors 梨本, 篤, 佐野, 宗明, 田中, 乙雄, 島田, 能史, 佐藤, 信昭, 瀧井, 康公, 土屋, 嘉昭, 藪崎, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.11.2004
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.2829

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Summary:当科では2001年4月より原発性乳癌術後の経過観察に年1回2方向からのマンモグラフィー(MMG)撮影をルーチンとしており,それが異時性対側乳癌の早期発見につながっているかどうかを検討した. 1997年4月から2001年3月までの前半期をA期, MMGルーチン後の2001年4月から2004年1月までの後半期をB期とした.異時性対側乳癌はA期で21例, B期で23例あった.第1癌手術から異時性対側乳癌手術までの期間はA期が平均121カ月, B期が平均100カ月であり,有意差は認めなかったがB期で異時性対側乳癌が早期発見されていた(P=0.37). A期の腫瘍径の平均値は2.5cm, B期の腫瘍径の平均値は1.7cmでありB期で腫瘍径が有意に小さかった(P<0.05). B期ではMMGによる異時性対側乳癌の発見が7例(30%)あり,全例に乳房温存手術を施行した.以上よりMMGが異時性対側乳癌の早期発見に寄与している可能性が示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.2829