リンパ節転移例からみた大腸sm癌の治療方針についての検討

教室におけるリンパ節転移陽性大腸sm癌の臨床病理学的特徴を明らかにし,大腸sm癌の治療方針について検討した.リンパ節郭清を伴う腸管切除を施行した大腸sm癌90例を対象とし検討したところ, 7.8% (7/90) にリンパ節転移を認めた (n1 (+)が5例, n2 (+)が2例).リンパ節転移陽性例は全例sm 2以深,リンパ管侵襲陽性であり,また肉眼的分類では7例中6例が陥凹成分を有していた.これら3つの因子,すなわち, sm 2以深,リンパ管侵襲陽性,陥凹成分(+)は,リンパ節転移の危険因子と考えられた.以上の結果から,術前診断でSM 2以深と判断した症例やpolypectomy (EMRを...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 10; pp. 2571 - 2577
Main Authors 川崎, 浩資, 谷川, 允彦, 奥田, 準二, 田中, 慶太朗, 山本, 哲久, 天上, 俊之, 渡辺, 一三, 豊田, 昌夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2571

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Summary:教室におけるリンパ節転移陽性大腸sm癌の臨床病理学的特徴を明らかにし,大腸sm癌の治療方針について検討した.リンパ節郭清を伴う腸管切除を施行した大腸sm癌90例を対象とし検討したところ, 7.8% (7/90) にリンパ節転移を認めた (n1 (+)が5例, n2 (+)が2例).リンパ節転移陽性例は全例sm 2以深,リンパ管侵襲陽性であり,また肉眼的分類では7例中6例が陥凹成分を有していた.これら3つの因子,すなわち, sm 2以深,リンパ管侵襲陽性,陥凹成分(+)は,リンパ節転移の危険因子と考えられた.以上の結果から,術前診断でSM 2以深と判断した症例やpolypectomy (EMRを含む)後の病理組織学検討でsm 2以深あるいは脈管侵襲陽性であった症例についてはD2以上のリンパ節郭清を伴う腸管切除を施行する必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2571