耳鼻咽喉科領域におけるMeropenemの基礎的・臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 40; no. Supplement1; pp. 725 - 731
• Main Authors: 大山, 勝, 内薗, 明裕, 島, 哲也, 村野, 健三, 松崎, 勉, 深水, 浩三, 宮崎, 康博, 矢野, 博美, 鶴丸, 浩士, 飯田, 冨美子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1992
• Subjects: 組織内移行; 耳鼻咽喉科領域感染症; 臨床的検討
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.40.Supplement1_725

新カルバペネム系注射用抗生物質meropenemの有用性について基礎的ならびに臨床的に検討し, 以下の結果を得た。 1. 本剤1回0.5gを30分かけて点滴静注し, 扁桃組織内濃度, 上顎洞粘膜内濃度および血清中濃度をbioassayにて測定した。投与後10～85分で扁桃組織内濃度は0.75～2.85μg/g, 対応する血清中濃度は6.99～37.8μg/mlであった。 また, 上顎洞粘膜内濃度は1.85～8.10μg/g, 対応する血清中濃度は8.36～68.1μg/mlであった。 2. 耳鼻咽喉科領域感染症28例に対して本剤を投与した。主治医判定による臨床効果は, 著効11例, 有効14例, やや有効2例, 無効1例で有効率89.3%であった。また, 委員会判定基準による臨床効果は著効16例, 有効8例, やや有効3例, 無効1例で有効率85.7%であった。細菌学的検討では31株中不明1株を除き28株が消失し消失率は93.3%であった。臨床検査値の異常は, LDH上昇例とGPT上昇例を各1例認められたが, 自・他覚的副作用は認められなかった。 以上より, 本剤は耳鼻咽喉科領域感染症に対して極めて有用な薬剤と考えられる。