重症社交不安障害患者における拒絶に対する過敏性とうつ症状が社交不安症状に与える影響性の検討

本研究の目的は,社交不安障害(以下,SAD)患者の拒絶に対する過敏性がうつ症状およびSAD症状に与える影響について明らかにすることであった。SAD患者81名を対象に拒絶に対する過敏性,うつ症状,SAD症状を測定する質問紙調査を実施した。分析の結果,拒絶に対する過敏性はうつ症状を介してSAD症状と関連していることが示唆された。また,拒絶に対する過敏性の中でも,「社会的自己像と真の自己像の不一致」と「他者評価追従」が特にうつ症状との関連が強いことが明らかとなった。本研究の結果から,SADの経過における拒絶過敏性やうつ症状とSAD症状の関連について考察するとともに,拒絶に対する過敏性に焦点を当てたア...

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Published in不安症研究 Vol. 6; no. 1; pp. 7 - 16
Main Authors 巣山, 晴菜, 伊藤, 大輔, 貝谷, 久宣, 鈴木, 伸一, 国里, 愛彦, 兼子, 唯, 伊藤, 理紗, 横山, 仁史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本不安症学会 30.09.2014
Subjects
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ISSN2188-7578
2188-7586
DOI10.14389/adr.6.7

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Summary:本研究の目的は,社交不安障害(以下,SAD)患者の拒絶に対する過敏性がうつ症状およびSAD症状に与える影響について明らかにすることであった。SAD患者81名を対象に拒絶に対する過敏性,うつ症状,SAD症状を測定する質問紙調査を実施した。分析の結果,拒絶に対する過敏性はうつ症状を介してSAD症状と関連していることが示唆された。また,拒絶に対する過敏性の中でも,「社会的自己像と真の自己像の不一致」と「他者評価追従」が特にうつ症状との関連が強いことが明らかとなった。本研究の結果から,SADの経過における拒絶過敏性やうつ症状とSAD症状の関連について考察するとともに,拒絶に対する過敏性に焦点を当てたアプローチの可能性について考察した。
ISSN:2188-7578
2188-7586
DOI:10.14389/adr.6.7