急性リンパ性白血病に対する12Gy / 4分割 / 4日の全身放射線照射を用いた骨髄破壊的移植の後方視的検討

「抄録」目的は急性リンパ性白血病に対し, 12Gy/4分割/4日の全身放射線照射(total-body irradiation: TBI)を用い骨髄破壊的前処置を行った造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation: HSCT)の成績を明らかにすることである. 2007年5月から2016年11月に上記の移植前処置を用いてHSCTを行った16~50歳の患者14例を対象に, 移植成績と放射線肺臓炎を含む晩期有害事象について後方視的に検討した. 観察期間中央値は73ヵ月, 好中球生着率85.7%, 5年無病生存率64.3%であった. 14例中6例が移植...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 47; pp. 139 - 146
Main Authors 釋舍竜司, 神谷伸彦, 松橋佳子, 余田栄作, 林貴史, 河田裕二郎, 樋口真樹子, 角場幸記, 長瀬尚巳, 近藤敏範, 近藤英生, 和田秀穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2021
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Summary:「抄録」目的は急性リンパ性白血病に対し, 12Gy/4分割/4日の全身放射線照射(total-body irradiation: TBI)を用い骨髄破壊的前処置を行った造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation: HSCT)の成績を明らかにすることである. 2007年5月から2016年11月に上記の移植前処置を用いてHSCTを行った16~50歳の患者14例を対象に, 移植成績と放射線肺臓炎を含む晩期有害事象について後方視的に検討した. 観察期間中央値は73ヵ月, 好中球生着率85.7%, 5年無病生存率64.3%であった. 14例中6例が移植関連の有害事象で死亡, 8例は生存中である. リニアックの円滑利用やスタッフの負担軽減を目的とした12Gy/4分割/4日でのTBIを用いたHSCTの移植成績は, 我が国で頻用される12Gy/6分割/3日の既報と同等であり, 寡分割照射にも関わらず放射線肺臓炎の合併はなく, 他の晩期有害事象の合併も少なく, 安全に行えていた.
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/kmj-j202147139