脳卒中患者の交感神経機能障害-心電図QT時間を用いた検討
心電図QT時間を用いた交感神経機能評価法により慢性期の脳卒中患者の自律神経機能障害を検討した.対象と方法 : 1) 健常者602名でQT時間とR-R間隔の回帰直線を求め, 実際に測定したQT時間とその時のR-R間隔を回帰直線に代入して得られたQT時間との差ΔQTを算出し, QT時間の指標とした.2) 発症1ヵ月以降の脳卒中患者42名でΔQTを算出し, 脳卒中の病態との関連を検討した.結果 : 1) 健常者のR-R間隔 (xmsec) とQT時間 (ymsec) の回帰直線はy=0.143x+243であった.また, 健常者のΔQTは0±17msecであった.2) 脳卒中患者のΔQTの平均は+23...
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Published in | 脳卒中 Vol. 14; no. 4; pp. 361 - 367 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
1992
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.14.361 |
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Summary: | 心電図QT時間を用いた交感神経機能評価法により慢性期の脳卒中患者の自律神経機能障害を検討した.対象と方法 : 1) 健常者602名でQT時間とR-R間隔の回帰直線を求め, 実際に測定したQT時間とその時のR-R間隔を回帰直線に代入して得られたQT時間との差ΔQTを算出し, QT時間の指標とした.2) 発症1ヵ月以降の脳卒中患者42名でΔQTを算出し, 脳卒中の病態との関連を検討した.結果 : 1) 健常者のR-R間隔 (xmsec) とQT時間 (ymsec) の回帰直線はy=0.143x+243であった.また, 健常者のΔQTは0±17msecであった.2) 脳卒中患者のΔQTの平均は+23msecでagematchした健常者42名の+9msecに比較して大きかった.3) 罹病期間が1年未満の脳卒中患者のΔQT (29msec) は1年以上の群 (17msec) に比較して大きかった.結論 : 1) 罹病期間が1年未満の脳卒中患者では交感神経機能障害が強かった.2) ΔQTは脳卒中患者の交感神経機能障害の評価に有用である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.14.361 |