高血圧性脳出血の再発についての検討

1978年5月から1985年12月までの間に発症後1週間以内に入院し, CT上高吸収域を確認し得た高血圧性脳出血194例を対象とし, その再発の頻度と再発例について検討を加えた.194例の高血圧性脳出血中25例が発症後1ヵ月以内に死亡したが, 発症ごく早期の血腫増大を除いて入院から死亡までの間に再出血が確認されたものはなかった.生存169例で再出血をきたしたものは9例 (計10回) で, その平均追跡期間は24.5ヵ月で, 再発率は2.9%/年であった.脳梗塞の発症は7例 (8回 : 2.3%/年, 6例は穿通枝系梗塞), TIAは1例にみられた.2例が入院時2ヵ所に出血を示していた.194例...

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Published in脳卒中 Vol. 14; no. 2; pp. 172 - 178
Main Authors 橋本, 洋一郎, 宮下, 孟士, 森安, 秀樹, 山口, 武典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 1992
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.14.172

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Summary:1978年5月から1985年12月までの間に発症後1週間以内に入院し, CT上高吸収域を確認し得た高血圧性脳出血194例を対象とし, その再発の頻度と再発例について検討を加えた.194例の高血圧性脳出血中25例が発症後1ヵ月以内に死亡したが, 発症ごく早期の血腫増大を除いて入院から死亡までの間に再出血が確認されたものはなかった.生存169例で再出血をきたしたものは9例 (計10回) で, その平均追跡期間は24.5ヵ月で, 再発率は2.9%/年であった.脳梗塞の発症は7例 (8回 : 2.3%/年, 6例は穿通枝系梗塞), TIAは1例にみられた.2例が入院時2ヵ所に出血を示していた.194例中脳血管障害の既往があったものは28例 (34回) あり, 確実な脳出血は5例, 確実な脳梗塞は18例 (計22回) であった.出血で再発前血圧が判明している11例中6例が高値を示しており, 再発予防には血圧管理が重要であると考えられた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.14.172