アルキルクロリドとアクリル酸ゲルのエステル化とその反応解析

新規の徐放材料である外部が疎水性, 内部が親水性のコアーシェル型のハイドロゲルを合成する目的から, アクリル酸ゲルの1, 8-ジアザビシクロ [5. 4. 0] -7-ウンデセン塩 (DAA) とアルキルクロリドのエステル化反応について詳細に検討を行った. DAAをヘキシルクロリドのDMF溶液中で反応を行ったところ, 少量のカルボン酸を副生するもののゲルの外側からほぼ定量的にエステル化し, コアーシェル型のゲルを経て最終的にはポリ (アクリル酸ヘキシル) ゲルが生成した. さらに, この反応の基礎的な知見を得るため, 種々の条件下でDAAのエステル化を行った. この結果を均一反応モデルを用いて...

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Published in高分子論文集 Vol. 55; no. 8; pp. 440 - 447
Main Authors 飯澤, 孝司, 松田, 文彦, 松野, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1998
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.55.440

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Summary:新規の徐放材料である外部が疎水性, 内部が親水性のコアーシェル型のハイドロゲルを合成する目的から, アクリル酸ゲルの1, 8-ジアザビシクロ [5. 4. 0] -7-ウンデセン塩 (DAA) とアルキルクロリドのエステル化反応について詳細に検討を行った. DAAをヘキシルクロリドのDMF溶液中で反応を行ったところ, 少量のカルボン酸を副生するもののゲルの外側からほぼ定量的にエステル化し, コアーシェル型のゲルを経て最終的にはポリ (アクリル酸ヘキシル) ゲルが生成した. さらに, この反応の基礎的な知見を得るため, 種々の条件下でDAAのエステル化を行った. この結果を均一反応モデルを用いて速度論的に解析したところ, 見かけのエステル化反応は純粋なエステル化速度ばかりかゲル内のアルキルクロリドの拡散速度に依存し, アルキルクロリドの構造により反応挙動が大きく変化することを明らかにした.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.55.440