イネの茎伸長による洪水耐性機構の分子メカニズム 浮イネの茎伸長
体内に通気組織を形成するイネは水田(部分冠水条件)で生育することができるが,体が完全に冠水するような洪水環境では呼吸ができず溺死してしまう.しかし,東南アジアの洪水多発地帯で作付けされる浮イネは,冠水すると茎を伸長させ葉を水面上に抽出することで空気を摂取し,長期の洪水環境でも生育することができる.最近,われわれは浮イネの冠水依存的な茎伸長における一連の分子メカニズムを明らかにした.これまでの知見と併せて浮イネの洪水に対する適応機構を紹介する....
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Published in | 化学と生物 Vol. 59; no. 12; pp. 586 - 597 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本農芸化学会
01.12.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0453-073X 1883-6852 |
DOI | 10.1271/kagakutoseibutsu.59.586 |
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Summary: | 体内に通気組織を形成するイネは水田(部分冠水条件)で生育することができるが,体が完全に冠水するような洪水環境では呼吸ができず溺死してしまう.しかし,東南アジアの洪水多発地帯で作付けされる浮イネは,冠水すると茎を伸長させ葉を水面上に抽出することで空気を摂取し,長期の洪水環境でも生育することができる.最近,われわれは浮イネの冠水依存的な茎伸長における一連の分子メカニズムを明らかにした.これまでの知見と併せて浮イネの洪水に対する適応機構を紹介する. |
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ISSN: | 0453-073X 1883-6852 |
DOI: | 10.1271/kagakutoseibutsu.59.586 |