細径器具を使用した腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の検討

当科では1996年から腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術において5mmのtrocar 2本と3mmのtrocar 1本を使用して細径器具を用いた手術を行っている.今回, 10mmのtrocar 2本と5mmのtrocar 1本を使用した従来器具使用群(従来群)25例と細径器具使用群(細径群)24例について臨床的な比較検討を行った.手術時間は従来群86.5分,細径群99.0分で有意差はなく,術中合併症も両群とも認めなかった.しかし,術後鎮痛剤(pentazocine)の使用は従来群19例,細径群4例(p<0.001),術後入院期間は従来群5.6日,細径群4.3日(p<0.01)で有意差があっ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 6; pp. 1475 - 1478
Main Authors 吉田, 雅行, 礒垣, 淳, 数井, 暉久, 小林, 利彦, 常泉, 道子, 和田, 英俊, 木村, 泰三, 小林, 恵子, 鈴木, 憲次, 竹内, 豊, 川辺, 昭浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.1475

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Summary:当科では1996年から腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術において5mmのtrocar 2本と3mmのtrocar 1本を使用して細径器具を用いた手術を行っている.今回, 10mmのtrocar 2本と5mmのtrocar 1本を使用した従来器具使用群(従来群)25例と細径器具使用群(細径群)24例について臨床的な比較検討を行った.手術時間は従来群86.5分,細径群99.0分で有意差はなく,術中合併症も両群とも認めなかった.しかし,術後鎮痛剤(pentazocine)の使用は従来群19例,細径群4例(p<0.001),術後入院期間は従来群5.6日,細径群4.3日(p<0.01)で有意差があった.また,長期的な創瘢痕の長さは,従来群は臍下18.4mm,右14.2mm,左11.3mm で,細径群は臍下10.3mm,右4.9mm,左1.8mm で全て有意差を認めた(p<0.001).手術侵襲や美容的な面に関して細径器具は,腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術をさらに普及させる有用な器械であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.1475