SS胃癌における拡大リンパ節郭清の意義

漿膜下層浸潤(以下, ss)胃癌では,そのリンパ節転移陽性率が高率となる.われわれは, ss胃癌における拡大リンパ節郭清(以下, D4'群)の効果を, D2群と臨床的に比較し検討した. 1987年から1998年8月までに当教室で切除したss胃癌57例のうち, D2群では21例, D4'群は22例であった. ss亜分類,組織学的分化度については両者の生存率に有意差を認めなかった.リンパ節転移個数に関しては, D2群では転移個数が2個以下の症例では5年生存率が80.8%であったのに対して, 3個以上の症例では5年生存例を認めなかった (p<0.05). これに対して, D...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 1390 - 1394
Main Authors 三浦, 義夫, 浅原, 利正, 土肥, 雪彦, 内田, 一徳, 大城, 望史, 篠崎, 勝則, 丹治, 英裕, 丸林, 誠二, 八幡, 浩, 杉野, 圭三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2000
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.61.1390

Cover

More Information
Summary:漿膜下層浸潤(以下, ss)胃癌では,そのリンパ節転移陽性率が高率となる.われわれは, ss胃癌における拡大リンパ節郭清(以下, D4'群)の効果を, D2群と臨床的に比較し検討した. 1987年から1998年8月までに当教室で切除したss胃癌57例のうち, D2群では21例, D4'群は22例であった. ss亜分類,組織学的分化度については両者の生存率に有意差を認めなかった.リンパ節転移個数に関しては, D2群では転移個数が2個以下の症例では5年生存率が80.8%であったのに対して, 3個以上の症例では5年生存例を認めなかった (p<0.05). これに対して, D4'群では2個以下の症例の5年生存率が91.7%, 3個以上でも85.7%と良好であった. 以上より,リンパ節転移個数が3個以上の症例において, D4'郭清は意義があると考えた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.61.1390