状態予測制御理論を用いた血圧制御システムについて
血圧制御は出血を減らして手術操作を正確かつ容易にするのみならず、輸血の節減とその副作用の防止につながる。我々は自動制御理論を応用して、従来よりも低いレベルでの安定した血圧制御を試みた。GOF麻酔調節呼吸下で雑種成犬の血圧、脈拍、尿量をADコンバータにて変換後コンピュータ(NECPCH98)へ入力し、状態予測制御理論を用いて降圧剤(trimethaphan, PGE1, nicardipine)の注入量を決定し、目標レベルに血圧を調節した。Trimethaphanで平均動脈圧(MAP)が80mmHgに達するまでの所要時間は5-30分であり、MAPが目標の10%を逸脱した延べ時間は3.695±4....
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Published in | 人工臓器 Vol. 22; no. 3; pp. 1009 - 1013 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1993
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.22.1009 |
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Summary: | 血圧制御は出血を減らして手術操作を正確かつ容易にするのみならず、輸血の節減とその副作用の防止につながる。我々は自動制御理論を応用して、従来よりも低いレベルでの安定した血圧制御を試みた。GOF麻酔調節呼吸下で雑種成犬の血圧、脈拍、尿量をADコンバータにて変換後コンピュータ(NECPCH98)へ入力し、状態予測制御理論を用いて降圧剤(trimethaphan, PGE1, nicardipine)の注入量を決定し、目標レベルに血圧を調節した。Trimethaphanで平均動脈圧(MAP)が80mmHgに達するまでの所要時間は5-30分であり、MAPが目標の10%を逸脱した延べ時間は3.695±4.54min/hrであった。MAP±10%の1時間当りの誤差の積分した値は、0.142±0.185mmHg.hr/hr (Mean±SD, n=9)であり、システムの安全性及び安定性を確認した。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.22.1009 |