体外循環時における臓器障害機序に関する研究

体外循環下に生じる臓器障害のメカニズムは, 低灌流圧によるショック類似状態となることが主因と考えられるが,体外循環に特有な種々の生体反応がさらに障害を促進すると考えられた。人工心肺開始とともに始まる血小板凝集によって, eicosanoid metabol ismのバランスがthromboxane A2 優位となること, 又低灌流に刺激されてと考えられるendothehnの反応性増加により局所血管収縮が生じ, 各種臓器の虚血性障害が促進される。特にendothelinは心肺終了後においても増加傾向を示し, 活性型顆粒球より放出されるエラスターゼとともに, 心肺中・後においての細胞障害に関与して...

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Published in人工臓器 Vol. 20; no. 3; pp. 1276 - 1280
Main Authors 鈴木, 和彦, 橋本, 和弘, 小柳, 勝司, 高倉, 宏充, 松井, 道彦, 新井, 達太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1991
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.20.1276

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Summary:体外循環下に生じる臓器障害のメカニズムは, 低灌流圧によるショック類似状態となることが主因と考えられるが,体外循環に特有な種々の生体反応がさらに障害を促進すると考えられた。人工心肺開始とともに始まる血小板凝集によって, eicosanoid metabol ismのバランスがthromboxane A2 優位となること, 又低灌流に刺激されてと考えられるendothehnの反応性増加により局所血管収縮が生じ, 各種臓器の虚血性障害が促進される。特にendothelinは心肺終了後においても増加傾向を示し, 活性型顆粒球より放出されるエラスターゼとともに, 心肺中・後においての細胞障害に関与していた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.20.1276