開腹術による大腸癌切除術後早期経口摂取開始の検討

開腹術による大腸癌術後の早期経口摂取開始の可能性について検討を行った.対象は待機的に開腹術による手術を施行した大腸癌67例である.術後第1病日に胃管抜去,同日夕または第2病日朝より飲水を開始,第2病日夕より流動食,第3病日朝より3分粥,第4病日朝より5分粥,第5病日朝より全粥とした.結果は39例で予定通りに, 14例は胃管抜去が1日遅れたが以降順調に経口摂取が可能であり, 8割の症例で術後1週間での普通食摂取が可能であった.従来大腸癌術後の経口摂取開始時期については排ガス,排便を確認し,縫合不全がないことを確認してから始めるとされてきたが,開腹術における大腸癌術後においても早期経口摂取は可能で...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 4; pp. 887 - 890
Main Authors 重田, 博, 浅沼, 雄之, 望月, 篤, 田中, 一郎, 山口, 邦彦, 前田, 壽哉, 橋詰, 倫太郎, 高橋, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.04.2004
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.887

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Summary:開腹術による大腸癌術後の早期経口摂取開始の可能性について検討を行った.対象は待機的に開腹術による手術を施行した大腸癌67例である.術後第1病日に胃管抜去,同日夕または第2病日朝より飲水を開始,第2病日夕より流動食,第3病日朝より3分粥,第4病日朝より5分粥,第5病日朝より全粥とした.結果は39例で予定通りに, 14例は胃管抜去が1日遅れたが以降順調に経口摂取が可能であり, 8割の症例で術後1週間での普通食摂取が可能であった.従来大腸癌術後の経口摂取開始時期については排ガス,排便を確認し,縫合不全がないことを確認してから始めるとされてきたが,開腹術における大腸癌術後においても早期経口摂取は可能であり,合併症などの安全面においても問題なく施行可能であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.887