Computerized tomography上脳底槽に著明な造影効果を認めた結核性髄膜炎の1例
頭部造影CTの際,脳底槽を中心とするくも膜下腔に認められる著明な造影効果は結核性髄膜炎の特徴的な所見とされている.著者らは上記所見を有する結核性髄膜炎の1例を経験し,約1年間にわたり,臨床症状,髄液所見,脳底部造影効果の経時的変化を観察した.抗結核療法開始後,臨床症状と髄液所見はほぼ平行して改善し,脳底部造影効果の軽減は前二者の改善する経過とよく対応していると考えられた.この事は,脳底部造影効果が結核性髄膜炎の経過を観察する際に,髄膜炎の活動性や抗結核療法の効果を判断する上で有用な指標となりうることを示すものと考えられた....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 3; pp. 345 - 350 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
1988
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.77.345 |
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Summary: | 頭部造影CTの際,脳底槽を中心とするくも膜下腔に認められる著明な造影効果は結核性髄膜炎の特徴的な所見とされている.著者らは上記所見を有する結核性髄膜炎の1例を経験し,約1年間にわたり,臨床症状,髄液所見,脳底部造影効果の経時的変化を観察した.抗結核療法開始後,臨床症状と髄液所見はほぼ平行して改善し,脳底部造影効果の軽減は前二者の改善する経過とよく対応していると考えられた.この事は,脳底部造影効果が結核性髄膜炎の経過を観察する際に,髄膜炎の活動性や抗結核療法の効果を判断する上で有用な指標となりうることを示すものと考えられた. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.77.345 |