開心術後腎不全症例の検討
教室における開心術後腎不全症例は57例であり、その発生率は3.2%、死亡率は55.4%であった。以上の症例を、前期(S50.1~53.4:cardioplegia以前), 中期(S53.5~55.7:cardioplegia以降), 後期(S55.8~57.4:拍動流体外循環以降)に分けて、術前状態、体外循環術後経過について検討した。 開心術後腎不全となるrisk factorとして、術前腎機能低下、重症心不全、高年令、長時間体外循環、術後低心拍出量症候群などが、あげられた。 拍動流体外循環の導入は、開心術後腎不全の発生を防止させる上には有用で、腎不全の発生率は減少したものの、症例の重症化のた...
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Published in | 人工臓器 Vol. 11; no. 6; pp. 1101 - 1104 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1982
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.11.1101 |
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Summary: | 教室における開心術後腎不全症例は57例であり、その発生率は3.2%、死亡率は55.4%であった。以上の症例を、前期(S50.1~53.4:cardioplegia以前), 中期(S53.5~55.7:cardioplegia以降), 後期(S55.8~57.4:拍動流体外循環以降)に分けて、術前状態、体外循環術後経過について検討した。 開心術後腎不全となるrisk factorとして、術前腎機能低下、重症心不全、高年令、長時間体外循環、術後低心拍出量症候群などが、あげられた。 拍動流体外循環の導入は、開心術後腎不全の発生を防止させる上には有用で、腎不全の発生率は減少したものの、症例の重症化のため腎不全例の死亡率は上昇しており、今後の問題を残している。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.11.1101 |