骨盤腔内後腹膜に発生した巨大な神経鞘腫の1例

症例は34歳,男性.腹痛,下痢を主訴に近医を受診し腹部腫瘤を指摘され,平成12年2月1日,当院紹介となる.超音波検査, CT, MRI,血管造影にて骨盤腔内の後腹膜腫瘍が指摘され, 3月28日手術施行した.腫瘍は巨大で骨盤腔内のほぼ全体を占め,経腹的アプローチ法にて腫瘍を摘出した.摘出腫瘍は, 12×15×9cm, 1,100gの黄白色の被膜を有する弾性軟な腫瘍であった.組織学的には紡錘型の腫瘍細胞が棚状・波状に配列しており,核異型は強くなく核分裂像は認めなかった.免疫組織学的にはS-100蛋白, Vimentin, NSEが陽性でAntoni A型とB型が混在する良性神経鞘腫と診断した.術後...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 2; pp. 480 - 484
Main Authors 木村, 次郎, 金住, 直人, 石井, 正大, 鈴木, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2002
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.63.480

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Summary:症例は34歳,男性.腹痛,下痢を主訴に近医を受診し腹部腫瘤を指摘され,平成12年2月1日,当院紹介となる.超音波検査, CT, MRI,血管造影にて骨盤腔内の後腹膜腫瘍が指摘され, 3月28日手術施行した.腫瘍は巨大で骨盤腔内のほぼ全体を占め,経腹的アプローチ法にて腫瘍を摘出した.摘出腫瘍は, 12×15×9cm, 1,100gの黄白色の被膜を有する弾性軟な腫瘍であった.組織学的には紡錘型の腫瘍細胞が棚状・波状に配列しており,核異型は強くなく核分裂像は認めなかった.免疫組織学的にはS-100蛋白, Vimentin, NSEが陽性でAntoni A型とB型が混在する良性神経鞘腫と診断した.術後経過は良好で,第14病日退院となった.術後18カ月経過した現在再発は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.480