免疫吸着法

免疫吸着法は狭義には免疫系の特異的反応抗原抗体結合などを利用した吸着法, 広義には免疫関連病旧物質を特異的あるいは選択的に吸着する方法と解釈される。除去目的物質に親和力を有する物質を利用するアフイニテイ吸着法は広義の免疫吸着法とほゞ同意語と考えられる。 生物学的アフイニテイ吸着材〔DNA Collodion ColumnあるいはProtein A Sepharose CL 4B (Prosorba)〕は既に免疫疾患や癌の治療に使用されている。しかし生理学的活性物質が必要であり, その供給, 確保, 操作, 滅菌さらに免疫吸着材として雑持することが困難である。 これらの問題を解決するため, 物理...

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Published in人工臓器 Vol. 16; no. 3; pp. 1203 - 1206
Main Authors 山崎, 善弥, 金井, 福栄, 出月, 康夫, 山脇, 直邦, 稲垣, 健二, 津田, 信明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1987
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Summary:免疫吸着法は狭義には免疫系の特異的反応抗原抗体結合などを利用した吸着法, 広義には免疫関連病旧物質を特異的あるいは選択的に吸着する方法と解釈される。除去目的物質に親和力を有する物質を利用するアフイニテイ吸着法は広義の免疫吸着法とほゞ同意語と考えられる。 生物学的アフイニテイ吸着材〔DNA Collodion ColumnあるいはProtein A Sepharose CL 4B (Prosorba)〕は既に免疫疾患や癌の治療に使用されている。しかし生理学的活性物質が必要であり, その供給, 確保, 操作, 滅菌さらに免疫吸着材として雑持することが困難である。 これらの問題を解決するため, 物理化学的アフニィテイ吸着剤(Bio-synsorb, Immci-sorba IM-TRおよびIM-PH)が開発され, それらの生体適合性や臨床効果が検討され, いくつかの満足すべき成果が報告されている。今後, 免疫吸着法は血漿交換にとって変り, 広く応用され, 免疫疾患の治療, 病態解明などに役立つことが期待される。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.16.1203