C型慢性肝炎に対するinterferonの短期投与の抗ウイルス効果

IFN製剤の短期投与(合計4-6週間)を行ったC型慢性肝炎症例より,IFN投与の有効例,無効例を各々6例ずつ選別し,C100-3抗体(Chiron社)に加えて,CP-9抗体,HCVRNAの経時的測定を行った.有効例では無効例に比し,IFN投与前のHCVRNAが少ない傾向がみられるが,両群の全例でIFN投与によりHCVRNAの明らかな減少が観察された.IFN投与終了後,無効例では血中のHCVRNAはまもなく前値に復したが,有効例では投与終了後も(-)-(+)のままで推移し,一部にはC100-3抗体価,CP-9抗体価の低下もみられた.この成績は,IFNはHCVに対しても抗ウイルス効果があることを示...

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Published in肝臓 Vol. 32; no. 3; pp. 243 - 249
Main Authors 古田, 精市, 鈴木, 宏, 清沢, 研道, 岡本, 宏明, 赤羽, 賢浩, 相野田, 隆雄, 津田, 文男, 岡田, 俊一, 中野, 善之, 宮崎, 吉規, 袖山, 健, 内藤, 成子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1991
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.32.243

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Summary:IFN製剤の短期投与(合計4-6週間)を行ったC型慢性肝炎症例より,IFN投与の有効例,無効例を各々6例ずつ選別し,C100-3抗体(Chiron社)に加えて,CP-9抗体,HCVRNAの経時的測定を行った.有効例では無効例に比し,IFN投与前のHCVRNAが少ない傾向がみられるが,両群の全例でIFN投与によりHCVRNAの明らかな減少が観察された.IFN投与終了後,無効例では血中のHCVRNAはまもなく前値に復したが,有効例では投与終了後も(-)-(+)のままで推移し,一部にはC100-3抗体価,CP-9抗体価の低下もみられた.この成績は,IFNはHCVに対しても抗ウイルス効果があることを示しており,感染ウイルス量が少なければ短期投与であっても臨床的な有効性が得られる可能性があることを示すとともに,感染ウイルス量が多くともIFNを適宜に使用すればHCV感染症を終焉させ得る可能性があるものと考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.32.243