当園 (ハンセン病施設) における入所者の足部疾患の現状
「はじめに」当園は, 明治42年九州7県連合九州らい療養所として現在地に開設され, 昭和16年, 国に移管され, 国立療養所菊池恵楓園と改称され今日に至る. 現在, 日本で最も大きいハンセン病療養所である. 入所者の殆どは, ハンセン病は治癒しているが, その後遺症と高齢化が問題となっている. ハンセン病の原因菌であるらい菌は, 主として末梢神経と皮膚を侵し, 菌の増殖による直接の組織破壊と免疫反応による組織破壊を起こし, 骨 関節にも重篤な影響を及ぼす1). 今回, 入所者の足部疾患の現状を調査したので報告する. 対象および方法 対象は, 当園入所者683例のうち直接検診し得た660例で,...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 4; pp. 781 - 782 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2003
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.52.781 |
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Summary: | 「はじめに」当園は, 明治42年九州7県連合九州らい療養所として現在地に開設され, 昭和16年, 国に移管され, 国立療養所菊池恵楓園と改称され今日に至る. 現在, 日本で最も大きいハンセン病療養所である. 入所者の殆どは, ハンセン病は治癒しているが, その後遺症と高齢化が問題となっている. ハンセン病の原因菌であるらい菌は, 主として末梢神経と皮膚を侵し, 菌の増殖による直接の組織破壊と免疫反応による組織破壊を起こし, 骨 関節にも重篤な影響を及ぼす1). 今回, 入所者の足部疾患の現状を調査したので報告する. 対象および方法 対象は, 当園入所者683例のうち直接検診し得た660例で, 男354例, 女306例, 平均年齢は74.3歳であった. これらの症例について, 平成13年度一斉直接検診の結果から足部に関する項目の陽性率を調査した. 足部に関する検診項目は, 下垂足, 足部の変形, 切断, 神経痛であった. 結果下垂足は, 37.4%にみられた. そのうち13.8%が両側であった. 足趾の変形は15.4%にみられた. そのうち13.6%が両側であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.52.781 |