中部山岳国立公園上高地周辺における沿道土壌の重金属濃度の地理的分布および季節変動

• Published in: 環境化学 Vol. 12; no. 3; pp. 571 - 583
• Main Authors: 尾崎, 宏和, 渡邉, 泉, 久野, 勝治
• Format: Journal Article
• Language: English; Japanese
• Published: 一般社団法人 日本環境化学会 2002
• ISSN: 0917-2408; 1882-5818
• DOI: 10.5985/jec.12.571

県道上高地公園線と国道158号線で, 道路わきの表層土壌と粉塵を採取し, Cr, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb濃度とpHを測定した。 Cr, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb濃度は山岳部から都市部に向けて上昇したが, 県道で上高地バスターミナルと釜トンネルが高濃度を示した。このことは頻繁な停発車やアイドリングと関連する, 自動車の交通量に起因すると考えられた。 また上記6元素は, 月間交通量または累積交通量と関係した濃度上昇がみられ, 高い土壌pHの影響も推察された。 以上から, 自動車の過剰利用は山岳部においても都市部に匹敵するCr, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb汚染を現出させることが示された。