Sauvage EXSを用いた非解剖学的バイパス手術例の検討

Sauvage EXSを用い, 閉塞性動脈硬化症例に対し26本のグラフトによる非解剖学的バイパス手術を行った。我々の手術方針の特色は, Leriche症候群に対しては, 中枢側吻合部に, 現在上行大動脈を第1選択としていること, poor risk例に対しても, より完全な血行再建をめざし, グラフト同志のsequential bypassを積極的に行っていることである。本シリーズでは, 全バイパス26本の累積開存率は5年で80.8%であり, 腋窩~大腿動脈バイパス術のそれは85.8%であった。唯一の閉塞例も中枢側の吻合部位を上行大動脈に変更し, 現在すべてのグラフトは開存中である。我々は,...

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Published in人工臓器 Vol. 18; no. 1; pp. 217 - 220
Main Authors 嶋津, 明, 石倉, 義弥, 小田桐, 重遠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1989
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.18.217

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Summary:Sauvage EXSを用い, 閉塞性動脈硬化症例に対し26本のグラフトによる非解剖学的バイパス手術を行った。我々の手術方針の特色は, Leriche症候群に対しては, 中枢側吻合部に, 現在上行大動脈を第1選択としていること, poor risk例に対しても, より完全な血行再建をめざし, グラフト同志のsequential bypassを積極的に行っていることである。本シリーズでは, 全バイパス26本の累積開存率は5年で80.8%であり, 腋窩~大腿動脈バイパス術のそれは85.8%であった。唯一の閉塞例も中枢側の吻合部位を上行大動脈に変更し, 現在すべてのグラフトは開存中である。我々は, 体幹部皮下, 関節部位を通るグラフトとしては, 外面をポリプロピレンで補強してあるEXSを, 材質や形状の点から適当なグラフトであると考えている。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.18.217