補助循環の動力源としての広背筋下挿入型ポンプの基礎的検討

広背筋と胸壁との間に挿入する空気チャンバーを作成し、それを圧縮することで広背筋の直線的な収縮力を空気圧に転換させ、補助循環の動力源とすることを最終目的とした基礎的検討を行った。広背筋下の挿入部位別にみた発生チャンバー内圧は、近位側(第三肋間上)において中間位、遠位よりも有意に高く、挿入部位としては近位が適切であると判断された。駆動源として用いた場合、チャンバーの十分な受動的拡張を確保するには広背筋収縮前のチャンバー内圧(pre-contraction chamber pressure: PCCP)を循環系前負荷より低く維持する必要があった。そのため今回のシステムでは心室バイパスへの応用で心房圧...

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Published in人工臓器 Vol. 24; no. 2; pp. 391 - 394
Main Authors 水原, 寿夫, 腰地, 孝昭, 青田, 正樹, 西村, 和修, 野本, 慎一, 松田, 捷彦, 岡本, 好史, 伴, 敏彦, 筒井, 宣政, 神田, 克巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1995
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Summary:広背筋と胸壁との間に挿入する空気チャンバーを作成し、それを圧縮することで広背筋の直線的な収縮力を空気圧に転換させ、補助循環の動力源とすることを最終目的とした基礎的検討を行った。広背筋下の挿入部位別にみた発生チャンバー内圧は、近位側(第三肋間上)において中間位、遠位よりも有意に高く、挿入部位としては近位が適切であると判断された。駆動源として用いた場合、チャンバーの十分な受動的拡張を確保するには広背筋収縮前のチャンバー内圧(pre-contraction chamber pressure: PCCP)を循環系前負荷より低く維持する必要があった。そのため今回のシステムでは心室バイパスへの応用で心房圧の低い前負荷のもとでは右心系に対してのみ駆動源となりえたが、左心系後負荷では困難であった。しかし高いPCCPを維持できる、すなわち大動脈圧を前負荷とするカウンターパルセーションへの適応は可能であると考えられた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.24.391