外傷性十二指腸損傷3例の治療検討

最近4年間に経験した外傷性十二指腸損傷3例を報告する。症例1は35歳, 男性。CTで, 後腹膜血腫および腹腔内出血を認め緊急手術施行, 十二指腸水平脚に2/3周の破裂を認めたため, 十二指腸水平脚を離断後, EEAにて十二指腸空腸機i械吻合施行した。症例2は24歳, 女性。受傷後3日目にCTで後腹膜膿瘍を認め当院転院。手術にて十二指腸に3カ所損傷を認め損傷部閉鎖後胃痩および腸痩を造設した。症例3は38歳, 女性。腎外傷による出血性ショックにて血管塞栓術施行後4日目にCTで後腹膜膿瘍を認め水溶性造影剤による十二指腸造影検査施行, 十二指腸損傷を認めた。開腹にて十二指腸水平脚に損傷を認めたが周囲浮...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 25; no. 3; pp. 549 - 553
Main Authors 檜垣, 聡, 柿原, 直樹, 北村, 誠, 飯塚, 亮二, 横野, 諭, 井川, 理, 大同, 毅, 中川, 達哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2005
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.25.549

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Summary:最近4年間に経験した外傷性十二指腸損傷3例を報告する。症例1は35歳, 男性。CTで, 後腹膜血腫および腹腔内出血を認め緊急手術施行, 十二指腸水平脚に2/3周の破裂を認めたため, 十二指腸水平脚を離断後, EEAにて十二指腸空腸機i械吻合施行した。症例2は24歳, 女性。受傷後3日目にCTで後腹膜膿瘍を認め当院転院。手術にて十二指腸に3カ所損傷を認め損傷部閉鎖後胃痩および腸痩を造設した。症例3は38歳, 女性。腎外傷による出血性ショックにて血管塞栓術施行後4日目にCTで後腹膜膿瘍を認め水溶性造影剤による十二指腸造影検査施行, 十二指腸損傷を認めた。開腹にて十二指腸水平脚に損傷を認めたが周囲浮腫が著明なため, 損傷部は処置せず周囲にドレナージチューブを留置し, 胃痩および腸痩を造設した。それぞれ入院期間に差があったが救命できた。十二指腸損傷は治療開始が遅れると死亡率が高率であるが受傷時期に応じた適切な手術術式の選択にて救命が可能かと思われた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.25.549