突然死の予知に関する心拍変動の時系列, およびスペクトル分析の意義

突然死する2年以内にホルター心電図を施行しえた10例 (SCD群) , 6連発以上の心室頻拍を認めた13例 (VT群) , 健常例19例 (0群) を対象に, ホルター心電図を用いて心拍変動を時系列分析, およびスペクトル分析し, 突然死に関連の強い心拍変動の指標について検討した.時系列分析では洞性RR間隔の24時間平均値 (mean RR) , 洞性RR間隔の24時間の標準偏差 (sdRR) , 5分ことの洞性RR間隔平均値の1日の標準偏差 (SDANN) の3指標は3群間に有意差を認めなかったが, 5分間ことの洞性RR間隔標準偏差の1日の平均値 (SD: p<0.05) , 連続する...

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Published in心電図 Vol. 14; no. 6; pp. 594 - 599
Main Authors 鈴木, 均, 三浦, 英介, 丸山, 幸夫, 栗野, 直行, 斎藤, 富慈子, 鉄地川原, 正顕, 上遠野, 栄一, 大和田, 憲司, 武田, 寛人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1994
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.14.594

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Summary:突然死する2年以内にホルター心電図を施行しえた10例 (SCD群) , 6連発以上の心室頻拍を認めた13例 (VT群) , 健常例19例 (0群) を対象に, ホルター心電図を用いて心拍変動を時系列分析, およびスペクトル分析し, 突然死に関連の強い心拍変動の指標について検討した.時系列分析では洞性RR間隔の24時間平均値 (mean RR) , 洞性RR間隔の24時間の標準偏差 (sdRR) , 5分ことの洞性RR間隔平均値の1日の標準偏差 (SDANN) の3指標は3群間に有意差を認めなかったが, 5分間ことの洞性RR間隔標準偏差の1日の平均値 (SD: p<0.05) , 連続する洞性RR間隔差の2乗平均 (rMSSD: p<0.01) , RR50の全RR間隔における比率 (pNN50: p<0.05) の3指標はSCD群は0群より低値であった.また, rMSSDはSCD群においてVT群より有意に低値 (p<0.05) であった.スペクトル分析では低周波数成分 (LF) , 高周波数成分 (HF) はSCD群が0群 (p<0.01) , VT群 (p<0.05) に比して, 有意に低値であった.特に心拍の連続性を考慮した指標, rMSSD, LF, HFは突然死例おいて, より低値であった.さらに, 突然死例では心拍変動は終日低下していることから交感神経の機能亢進が示唆された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.14.594