筋ジストロフィー症患者における心室遅延電位の検討: Duchenne型進行性筋ジストロフィー症と筋緊張性ジストロフィー症の比較
Duchenne型進行性筋ジストロフィー症 (DMD) 患者と筋緊張性ジストロフィー症 (MyD) 患者を対象とし, 平均加算心電図による心室遅延電位 (LP) の検出を試み, さらに心エコー図 (2-Decho) により左室障害の有無を検討した.標準12誘導心電図でQRS時間が100msec以下で脚ブロックの所見のないDMD19名 (17±6歳) とMyD9名 (39±19歳) では, 2-D echoでは左室収縮指標はMyDに比しDMDで有意に低値であり, 左室壁運動異常はDMDで有意に高頻度を示した.2-D echoの結果は一般にDMDに心不全が高頻度である事実と対応していた.DMDでは...
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Published in | 心電図 Vol. 10; no. 6; pp. 814 - 820 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
1990
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.10.814 |
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Summary: | Duchenne型進行性筋ジストロフィー症 (DMD) 患者と筋緊張性ジストロフィー症 (MyD) 患者を対象とし, 平均加算心電図による心室遅延電位 (LP) の検出を試み, さらに心エコー図 (2-Decho) により左室障害の有無を検討した.標準12誘導心電図でQRS時間が100msec以下で脚ブロックの所見のないDMD19名 (17±6歳) とMyD9名 (39±19歳) では, 2-D echoでは左室収縮指標はMyDに比しDMDで有意に低値であり, 左室壁運動異常はDMDで有意に高頻度を示した.2-D echoの結果は一般にDMDに心不全が高頻度である事実と対応していた.DMDではLPを全く検出せず, MyDでは4例 (44%) にLPを認め有意に高率であった.LP陽性のMyDでHolter心電図を施行したが, 心室頻拍 (VT) の所見は得られなかった.しかし, 文献上, MyDではVTやVTによる突然死の報告がある.LP陽性MyDの一部では, LPがVTの発生に関連する可能性があり, 今後の検討が必要である. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.10.814 |