Moracizineの心室細動予防効果

Moracizineは, OAST報告で心筋梗塞後の死亡を増力口するとされたIC群のflecainideやencainideに比べて抗不整脈作用では劣るが, 催不整脈作用や心不全の誘発は少ないとざれている.Moracizineの電気生理学的作用と3種類の測定法による心室細動閾値 (VFT) に及ぼす効果を麻酔開胸犬で検討した.健常心で, moracizineは拡張期興奮閾値, 伝導時間を増加したが, 不応期を延長せず, 50Hz持続電気刺激法によるVFTを上昇させなかった.Proteaseによる局所的出血性壊死心において, moracizineは連続期外刺激法によるVFTを上昇させなかったが,...

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Published in心電図 Vol. 12; no. 6; pp. 724 - 731
Main Authors 郭, 宗徳, 杉本, 恒明, 井上, 博, 碓井, 雅博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1992
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.12.724

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Summary:Moracizineは, OAST報告で心筋梗塞後の死亡を増力口するとされたIC群のflecainideやencainideに比べて抗不整脈作用では劣るが, 催不整脈作用や心不全の誘発は少ないとざれている.Moracizineの電気生理学的作用と3種類の測定法による心室細動閾値 (VFT) に及ぼす効果を麻酔開胸犬で検討した.健常心で, moracizineは拡張期興奮閾値, 伝導時間を増加したが, 不応期を延長せず, 50Hz持続電気刺激法によるVFTを上昇させなかった.Proteaseによる局所的出血性壊死心において, moracizineは連続期外刺激法によるVFTを上昇させなかったが, トレイン刺激法によるVFTを上昇させた.今回の結果より, moracizineは一発の心室期外収縮から心室細動になる場合において予防効果が期待される.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.12.724