急性呼吸不全症におけるVA/Q分布動態

従来ARDS様症状を呈する急性呼吸不全症では, 著明な肺内シャントおよびVA/Q不均等分布による肺酸素化障害が問題点であると示唆した臨床および実験的報告は多いが, かかるVA/Q分布の実態を明らかにし得た報告はいまだ乏しい. 今回われわれは従来より行なって来た肺VA/Q分布を連続的に観察し得る6種不活性ガス法により種々の急性呼吸不全症における肺VA/Q分布を観察し, かかる症例では正常の2倍以上の分散をもつ幅広いVA/Q域への血流分布ならびに著明な肺内シャントの形成されることを明らかにした. なお実測PaO2値と得られたVA/Q分布パターンより Computer simulation により得...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 4; no. 3; pp. 302 - 309
Main Authors 上野, 脩, 上山, 英明, 井辺, 浩行, 栗林, 恒一, 水本, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1984
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.4.302

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Summary:従来ARDS様症状を呈する急性呼吸不全症では, 著明な肺内シャントおよびVA/Q不均等分布による肺酸素化障害が問題点であると示唆した臨床および実験的報告は多いが, かかるVA/Q分布の実態を明らかにし得た報告はいまだ乏しい. 今回われわれは従来より行なって来た肺VA/Q分布を連続的に観察し得る6種不活性ガス法により種々の急性呼吸不全症における肺VA/Q分布を観察し, かかる症例では正常の2倍以上の分散をもつ幅広いVA/Q域への血流分布ならびに著明な肺内シャントの形成されることを明らかにした. なお実測PaO2値と得られたVA/Q分布パターンより Computer simulation により得たPaO2値の間に有意の相関 (r=0.97) がみられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.4.302